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あかんデザイン3

東京駅で見かけた「デジタルサイネージ」。



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ペットボトルのキャップを回収すれば、発展途上国の子供達へのワクチンになる、という運動。

この運動?には以前から疑問を持っている。
人々の善意を笑うつもりはない。やらないよりはやった方がいいかとは思う。

問題は、ここ(ペットボトルのキャップ)をつついても十分な原資が存在しないだろう、ということだ。


画面の下に結果のシールが貼ってある。


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ほぼ4ヶ月間かかって、たったの8.4人分なのだ。

その間、この液晶画面を点灯するのにどれだけの電気料金を掛けたのかということ。

この液晶パネル付き回収ボックスを作成設置するのにどれだけの費用がかかっているのかということ。

この画面のデザインやシステム、人件費にどれだけの費用がかかっているのかということ。

しかも、「8.4人分になりました」というこのラベル、ここだけにために印刷して作ったとは思えないから、同様ものがもっとたくさん設置されているのかもしれない。


NPO法人「世界のこどもにワクチンを 日本委員会」によれば一番安い「DPT(ジフテリア、百日咳、破傷風)」ワクチンの価格は約9円である。一番高い「MMR(はしか、おたふくかぜ、三日ばしか) 」ワクチンでも約114円とのこと。

つまり合計958円を回収するためにどれだけ費用がかかっているのだろう?誰も疑問に思わないのだろうか?本末転倒である。善意に託けて、どこからか利益を手中にしている輩がいるのでは、と邪推したくなる。

こういうことをやっているどこかのエライ人たちは無知な我々市民でも可哀想なこども達の役に立つのだということを啓蒙する費用だと仰りたいのかもしれない。

しかしながら、デジタルサイネージを使わずともポスターでも十分なはず。へたな情報伝達のコストはそこにある原資よりも高くなる。

数学的に言っても、仕事の効率的に言っても、もともと原資の少ないところに経費を注ぎ込んでも、全体の効果はアップしないのだ。



それでもキャップを集めたいのなら、私ならこんな提案をする。


キャップのデザインを工夫してペットボトル本体から外れないようにする。


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金型が若干ややこしくなり、成形効率が落ちるからキャップ部分のコストはわずかに上がるだろう。先端を機械的に嵌め込む工程もコスト高の要因となる。

しかし、この状態ならほぼ確実にペットボトルとキャップを同時に回収できる。そして販売時にはデポジット制を導入し、前もって例えば10円上乗せするのだ。11円上乗せして1円は募金に回すなどいろいろと考えられる。

街からペットボトルの不法投棄が亡くなることは間違いないだろう。

回収システムを組まないとならないが、現状のコンビニをステーションにすることは難しくないと思う。回収と最終工程での分別、そこにも確実に費用を落とすことができるはず。







本:『エコ・コモノ』

『エコ・コモノ』 平田美咲 著 青山出版社


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お菓子のパッケージを大胆に利用して、雑貨を手作りする本。

紙を切ったり貼ったりするだけでなく、縫製によるポーチの製作なども紹介されています。

著者の平田美咲さんはデザイナーであり、イラストレーターでもあります。よほど、お菓子好きと見えて、お菓子のパッケージを利用するエコ・グッズの本を4冊も出されています。


この表紙の右下にあるのは、紙の箱などを開けるときにペリペリと剥がず開口部(正式名称はなんていうんだろ)を利用した封筒。切手の金額に注意すれば実際に郵送することも可能とのことです。これはおもしろそう!


平田美咲さんのサイト

「土足厳禁」












ドリームボールプロジェクト?

以前からネット上で目にしていたのですが・・・「国連のドリームボールプロジェクト」

Dream Ball Project


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援助物資を入れる箱を短冊状にカットできるようにして、組み立てると「ボール」になるという工夫。

細かいコンセプトは分からないのですが、このモノとしてのアイデアは秀逸だと思いました。構造的におもしろい。四角い箱でもできるそうです。発展途上国ならずとも、スニーカーの箱などで採用されれば楽しいと思います。

この帯を組み合わせるときはカット部が必要なのではないでしょうか・・・だとすると、強度的にはどうなんでしょうか・・・。繋ぎ合わせるときにホチキスやガムテは使えないでしょうし。



さて、さはさりながら、これを「ドリームボール」と名付けることのナイーブさにはやや?マークが付きます。

どうせ捨てる箱なら、遊んだ方が「エコ」だ、というのなら分かります。しかし、発展途上国のこどもたちにボールを届けたいというのなら、実物のボールを届けてあげるのがスジだと思います。もちろん、本物のサッカーボールは高いでしょう。しかし、「ノーパンクボール」を安く作る技術なんて昔から存在しているのです。

どーも、こういう「プロジェクト」とかって誰かの自己満足に見えてしまう。素直に拍手できない、へそ曲がりな私めです。






本レビュー:ツリーハウスで遊ぶ

ツリーハウスで遊ぶ
ポーラ・ヘンダーソン/アダム・モーメント著 二見書房 2006年

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世界中の人々に愛される「ツリーハウス」の魅力を過去、現在、未来の順で、豊富な写真とともに紹介した本。

二人の著者のツリーハウスへの愛情がたっぷりと込められており、そのたくさんの写真を見ているだけでも幸せな気分になれる。

ツリーハウスは見た目の優雅さとは裏腹に、実際に住み、維持していくのは並大抵ではないことは想像に難くない。飲み水の確保や下水道の処理から、虫や蛇などとの共存生活、そして家をささえる「樹」(ホストツリー)の健康維持管理まで、まず、いい加減な心構えでは無理だろう。

なので、この本のツリーハウスの歴史を概観してみると、そこに住む人々は、大きく二つの系譜に分かれるようだ。

一つは、実際に樹上生活をしている少数部族、森林伐採などに反対する拠点としてツリーハウスに住む活動家(2年間、高さ60mのツリーハウスから降りずに頑張った自然保護活動家、森のジャンヌ・ダルクことジュリア“バタフライ”ヒル女史が紹介されている)や、自然愛好家など、筋金入りの「エコロジスト」「ネイチャーラバー」の系譜。つまり、樹上に住む苦労などもろともしない人々たちである。

もう一方は、そういう苦労を他の人に任せられる、いわば上流階級の人たちである。この本でははるかローマ時代から、特権階級の人々が現実のあれやこれやから逃れる憩いの場としてツリーハウスを愛してきた歴史が語られている。英国王室にその伝統があることや、世界中のセレブ御用達のツリーハウスリゾートが紹介されている。

(ま、私などそのどちらでもないので、当然、ツリーハウスに住むなど無理ってこった。)

その他、未来へ向けてのデザイナーたちによる「国際ツリーハウス・コンテスト」の記事も興味深い。

まあ、誰しもが「トム・ソーヤ」を読み、「秘密基地」にときめき、一度はツリーハウスに住んでみたいと憧れるだろう。現代人にとっては一戸建てを手に入れるよりも難しい夢かもしれない。やはり、自然に対しての責任を考えれば、興味本位の中途半端な気分では適いそうにない。

この本では取りたてて、エコだ、自然保護だ、などと声高には叫んでいない。ただ、世界中の何十もの美しいツリーハウスを紹介するだけで、なんとも自然に対する愛情溢れる眼差しが伝わってくるのである。

日本ツリーハウス協会 


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