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『上昇と下降(Ascending and Descending)』 エッシャー展によせて その3

エッシャー先生の『上昇と下降(Ascending and Descending)』の段数を数えてみると15段か16段になるようです。わざとかどうかは分かりませんが、少し見えにくくなっています。

前々回、「その1」でこの無限階段はアイソメ上で簡単に描けると言いましたが…どのような条件でも成立するという訳ではありません。条件としては、60°、120°の同一のひし形を階段のフットプリントとして水平に並べ、垂直方向での段差の高さが等しいということですが…



180611a.png


そのような条件で並べても上記の通り階段が一致せず成立しない場合もあります。

アイソメ上で「ペンローズの(無限)階段」がどのような条件で成立するかは簡単な計算で求めることができます。
この問題は高校や大学で図法やデザインを学ぶ学生さんにとってはとてもよい課題なので宿題としておきましょう( ´∀` )


課題:アイソメトリック図上で「ペンローズの階段」成立する条件とは?


どころで、自分がこの錯視に興味を持った理由は、「そもそもこの階段が成立する最小段数はいくつだろう?」と思ったのが始まりです。

「その1」では12段の図を載せました。

さらに減らして8段でも成立!

180612a.png


実はこの厳密な条件下では6段が最低の段数であることが分かっています。


180611b.png


もちろん、その1で書いたように階段の真ん中に穴が開いているのかどうか微妙なところがありますが。

さて、ここで少し条件をゆるめてみましょう。階段のフットプリントの形状を同一でなくてもよいとします。昇降方向に対し、幅さえ一定であれば階段の長さは問わないようにしてみます。すると、この6段の無限階段から…


5段

180612b.png


4段

180612c.png


3段!

180612d.png


どうでしょうか?無限階段になっていて、アイソメ上、矛盾はありませんよね?

しかし、少なくなればなるほど、真ん中の壁が穴になっているのかどうか気になりますね。そこでその解決策を考えました。
気になる部分を見えなくすればよいのです。


180612e.png


真ん中に柱を立てるか穴を開けてしまうかです。ただ、柱は見せたい部分が見えにくくもなるので、穴の方が適していますね。

この手法で3段を描きなおすと、


180612f.png


完璧!実際に存在できそうなぐらい矛盾がありません。


まだ終わりません。この勢いで…


180612g.png

なんと2段の無限階段も描写可能!
しかも形状としては8個もバリエーションができます。


180612h.png


さらに穴を開けると、同一形状になるものが出るので数は減るのですが、非常にエレガントな形状になりました。
アイソメ上で段差と幅が同じで無限階段になっています。
つまり最低2段あれば無限階段が成立する訳で…



いやいや、


まさか、


180612i.png


1段…!

条件は満たしています。

面白いことに時計回りで昇る場合、段差が右側に来ると成立しないのです。描いてみてください。

で、穴を設定すると、



180612k.png


これぞ究極!1段で無限階段。

























『上昇と下降(Ascending and Descending)』 エッシャー展によせて その2

さて、前回の単独の無限階段要素を同じ方向に繋いでいくと…


180609a2.png



向きによっていくつかの繋ぎ方ができます。


180609b2.png



部分的に階段が抜けているのは、「無限に昇る」ということを原則としたからです。昇り続ける階段の横道が下がる要素になる場合があり、そこを削りました。また、今回は投影法的に矛盾が出ないように底辺の部分を加工しました。

このパーツをまた繋ぎ合わせることができます。


180609c2.png



180609d2.png



180609e2.png



たった一つのパーツから随分といろいろな造形ができます。昇っても昇っても切りがないようです…。次回は降りていく?方向で
(;'∀')


『上昇と下降(Ascending and Descending)』 エッシャー展によせて その1

この6日から上野の森美術館で「ミラクルエッシャー展」が開催されています。


どの作品も実際に見るのが楽しみなのですが、今日は『上昇と下降(Ascending and Descending)』 を取り上げてみます。
(サムネイルはクリックで拡大)



180608a.jpg
引用:https://www.wikiart.org/en/m-c-escher


どこかの僧院でしょうか?無限に続く階段を僧侶らしき行列が昇り続け、あるいは降り続けています。


これはいわゆる「ペンローズの階段」という不可能図形を元にしたもので、3次元を2次元で描写する際に生じる矛盾を利用したものですね。


180608b.png


一見難しいようですが、


180608c.png


実はこのように、アイソメトリック図といわれる等角投影法のグラフ上で簡単に描くことができます。

ただし、階段の段数などでいろいろ不具合が生じることも…


180608d.png


このように1辺に2段のところを設定すると真ん中に穴があいているのかいないのか非常にあやふやになってしまいます。
このことは実に重要な問題を含んでいるのですが、それはまた後ほど。


さて、面白いのはここからです。この図形を反転したりしながら繋げると…


180608e.png


まさに無限マーク(∞)の階段ができました。


このパーツはレゴのように縦横斜めに繋いでいくことができます。


180608f.png


どこまで登っても延々と続く階段、厳しいですね。


180608g.png


なかなか綺麗です。


180608h.png


どんどん繋げることができます。


180608i.png


基本形状を変則的に繋ぐとまた違ったものになります。


180608j.png


これを並べたら…ちょっと切りがないので見送りますが。

さてさて、実は最初のエッシャー先生の絵はこれよりもっと複雑な手法で作られているのですが…次回、もう少し、この単純なレゴ並べで遊んでみたいと思います。














PDFデータの困った現象 2


以前、グラフィックデータがPDFビューワーによって壊れて表示されるという現象をレポートしました。

PDFデータの困った現象


今回、別の現象に遭遇したのでメモとして記録しておきます。


拙ホームページの方にアップしているカレンダーリフィルなのですが、印刷する過程で、ラインの太さがおかしいことに気が付きました。

180104b.jpg


同じ幅で作っているのに、縦のラインが太く、横のラインが細いのです。横のラインが正常な太さです。

困ったとこに元のデータを作ったCADソフトでは対処のしようがありません。

180104c.jpg

CADからそのままプリントすると問題無く均一な太さになります。

プリンタとの相性を疑いましたが、2台の違うプリンタ(エプソン)で同じ現象が出ました。

また、他のグラフィックソフトでも同じ現象が出たので、どうやらCADやグラフィックソフトの問題ではないようです。そこでPDF変換の際の問題ではないか?と考えました。しかし、PDF変換ソフトを変えてみても同じ現象が出る…さてさて???

そこで印刷するPDFビューワーを変えてみました。

最新のAdobe Reader DCで印刷してみると、

180104e.jpg

縦横ともやや太くなっているようなのですが、太さ自体は同じです。

で、デフォルトで使っていた、PDF-Xchange Viewerで印刷してみると…

180104d.jpg
 
あれ?同じ太さですね。これは打つ手なしか?再現性にバラつきがあるのか?



最初に戻って現象が出たときの条件を考えると、「標準」印刷ではなく「きれい」モードだったなあ、と。まさかとは思うけれど「きれい」モードでテスト用の方眼をプリントしてみました。


180104f.jpg

ビンゴ!太さが違って印刷されました。

いやいや、原因確定に時間がかかりました。

この後、いろいろやってみましたが、「PDF-Xchange Viewer」で「きれい」モードで印刷した場合のみこの現象が出ます。
Adobe Reader DCのきれいモード、Foxit Reader では生じませんでした。てなわけで、さっそくPDF-Xchange Viewerは削除。
また、PDF-Xchange Viewerの後継ソフトである「PDF-XChange Editor 」でも生じなかったので、そちらに乗り換えました。
(フリーソフトのご使用は自己責任でどうぞ。インストールの際に余計なことをしようとするものが多いのでご注意を。)


その他にもPDF周りにはいろいろと不具合が出るんですよね。

そんな訳でPDFをお使いの際はお気をつけください。





「牛乳パックの開け方」コレクション

なんや、それ?

 「はかなきものを愛でる」シリーズ。

誰でも目にしている牛乳の紙パック、必ず開け方が描かれていますね。でも、そんなの見ている人なんていないでしょう(笑) 実際、検索しても海外の牛乳パックにはほとんど描かれていないようです。日本独特の余計なお世話ってやつ?



150511a.jpg



150511b.jpg



150511c.jpg



150511d.jpg



リアルなものから下手くそなものまであるのですが、コレクションというのはおこがましいほど種類が見つかりません。

というのもこのデザインは各牛乳メーカーが描いたものではないようですね。なるほど、紙パックの会社の所有するデザインか、とも思ったのですが。

現在の主な紙パックの会社には

日本テトラパック株式会社


日本製紙グループ(NP-PAK)


ビーエフ&パッケージ株式会社

東京製紙株式会社

株式会社中部機械製作所


石塚硝子株式会社

などがあげられます。

実は同じデザインを二つの別の紙パック会社で使っている例もありました。間でパッケージデザインを担当している会社の描いたものかもしれません。

てなわけで今後増える可能性も低いのですが…

さて、自分でも気に入って描いてみました。Tシャツにでもしたいなあ。


150511x.png



150520追加

150520a.jpg


170803追加

160320a01.jpg







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