Twitterの中で小説を書いて発表されている方々がおられます。
ツイノベル、twnovelなどというようです。(
@tenovrl)
そういう方々の発表の手段として「折り本」が利用される場合もあります。
ただ、前回書いたようにページをひっくり返したりという装丁上の処理をしなければならず、やや面倒臭い部分もあります。
そんなときに便利なツールを二つ紹介します。
「
8p Orihon MAKER 」
web上で文字を入力すると各ページを折り本に応じた配置にしてPDFを吐き出してくれるという便利なサービスです。
文字はゴシックか明朝しか選べませんが、サイズは5、8、10、12、14、20ポイントが選択でき、それぞれ約13760文字~940文字までの文章量に対応します。
基本的に1ページずつ編集するのではなく、全文章をコピペして流し込むと自動的に8ページに振り分けてくれる仕様です。
デフォルトは縦書き(右綴じ)ですが、「横書きで出力する」にチェックを入れれば横書きとなり、この場合は左綴じに対応したページ配置となります。
画像は表紙だけでなく全てのページに入れることができます。下記のように「表紙以外にも画像を入れる」の部分をクリックすると画像挿入用のオプションが開きます。

「(画像は横200px,縦280pxに収まるよう自動的に縮小されますがImage Resizerなどで加工しておくと便利です)」とのことですが、私が512pxの画像を貼りつけて試したところでは、事前に縮小してもやや劣化した感がありました。サンプルは後程。
また、途中ページに画像を貼りつけた場合は、文字は自動的に回り込んでくれますが、完璧ではないようです。

いずれにしてもある程度まとまった量の文章を折り本にしたいという場合に手間なく使える良いツールだと思います。
【コピー&ペーストするだけで折り本用PDFファイルを作成・ダウンロードできる「8p Orihon Maker」 - Gigazine】もう一つはダウンロードして使うフリーソフトです。
「
Ottee」
Win版とMac版があります。(フリーソフトのご使用は自己責任で)
こちらは見開きの2ページずつ編集していくタイプ。ほぼ出力イメージのまま編集していけるので分かりやすいと思います。
文字はパソコンにインストールしているものが使え、縦書き横書きの混在、背景色の設定などかなり自由度が高いです。逆に言うと、縦書きにしながら左綴じにしてしまう場合もあるので、出力時には設定を注意する必要があります。
また、「ページ番号配置」で一旦ページ番号を付け、確定されてしまうと、一挙には取り消せなくなります。一つ一つ削除していくしかありません。

背景の色を変えたり、画像を貼りつけるには、上記の三角を2度ほど押して「背景」タブを出します。
背景を無効にすると透明になるので、貼りつけた画像の上に直接文字を書き込んだりすることもできます。
設定からもとの紙の大きさもA5、A4、A3、B5、B4と選べます。PDFで出力してくれるので、印刷の大きさは印刷設定でも調節できるのですが、画像の精度などに影響するのかもしれません。
画像を貼りつけた場合の精度は前述の8p Orihon MAKERより良いようです。
横幅512pxの画像を同条件で貼り付け、PDFをA4で出力、100%のサイズで表示、等倍で切り出したもの。

8p Orihon MAKER

Ottee
また、画像は見開き2ページに渡って貼りつけることもできるので、小型の絵本などを作るのにも重宝しそうです。教育現場やワークショップでも役立ちそうなすばらしいソフトだと思います。
このようなツールを利用して、小さな本を簡単に作れるのはうれしいですね。やってみると実に楽しいものです。本以外にノートなどにも応用できますし、折り本の世界がもっと広がってほしいと思います。
次回は「ネットプリント」について。