武蔵大学で
開学60周年記念講演会-『日本のアニメ 絵巻物から漫画まで』というテーマで一般受講者の募集をしています。
費用は無料、土日の日程で全5回の講演です。
応募は往復はがきのみで、9月5日締め切りとなっています。
定員500名で応募者多数の場合は抽選とのこと。
詳細は上記リンク先参照のこと。
(『引用・転載等をご希望の方は、相談させていただきますのでご連絡ください。』とありますが、
引用とは本来自由に行える範囲のものを意味するはずですが。)
本日発売の週間現代で「あしたのジョー」が連載開始とのこと。
週刊現代Online ちばせんせ、またそんな墓を掘り起こすような無粋なことによくOKだしたなあ、と。それはないわ、と思いつつ、それでも、どう料理するんだろう、と半分は期待もあった訳で。
ところが本屋で手に取ってびっくり!
『復刻連載』?なんだこりゃ??昔のまんま、そのままを連載しているんですけど!?
雑誌史上、そんなことって今まであっただろうか?読者をなめてるのか?雑誌業界がダメになっているという話はこのところ喧しいが、まさかこれほど劣化しているとは・・・。
「『あしたのジョー』は、格差や不況で閉塞(へいそく)感が漂う現代社会の究極の癒やし。何度挫折してもまた立ち上がる主人公、矢吹丈らの生きざまが、心身ともに疲れきったサラリーマンにパワーを与えると考えた」てな口上だが、後ろ向きなこの企画によけいガッカリするわ!
うがった見方をすれば、それほど予算がないってことだろう。ちば氏に新作を依頼するより、再掲載の版権分を払う方がはるかに安くつくとか。受けなきゃ途中で打ち切りゃいいや、ってことだろうか。リスクを取らなくていい算段かもしれんが、逆に致命傷にならなきゃいいけど。
安野モヨコの『働きマン』の舞台は「週刊現代」の編集部がモデルと言われている。週刊現代は以前は大人向けの週刊誌として硬軟取り混ぜたなかなかバランスのいい雑誌だと思っていた。ところが去年あたりだったか、久々に手にしてみたら文字が大きくなって中身がスカスカ、劣化ぶりに驚いたものだ。
なにやらいろいろと企業問題なんぞを取り上げていた編集長が裁判ざたで会社に損害をかけたので入れ替わったとかなんとかも耳にする。どうやらいい企画を通そうと頑張る働きマンはマンガの中だけのことらしい。
ま、いずれにしろ、雑誌低迷に拍車を掛けるようなこの企画、途中で打ち切られるに3,000点!
「アリオ亀有」という複合型商業施設に行って来ました。
最近あちこちで見る形態の大型施設で、スーパー(イトーヨーカドー)とシネコン、様々なショップ、フードコートなどが合体しています。普通は郊外型の施設だと思うのですが、都内では珍しいかもしれません。
地元だけあって、ここのゲームアーケードが『こちら葛飾区亀有公園前派出所』仕様になっていました。

ゲーセン内に派出所などのセットが作られています。

こちら、両津勘吉のデスク。

ラジオ、馬券、始末書、プラモデル屋の請求書と、細かく作り込んであります。
机の中は懐かしのおもちゃだらけ。ミクロマンやら少年サイボーグでしたっけ?などが・・・。

外側、派出所の上には、なぜか虫かご・・・角から覗いているのは「GIジョー」!?細かいなあ(笑)。
店内には、他にも昔の下町風のセットがあり、「こち亀」キャラのコスチュームなど、ファンなら楽しめるような設定が随所に。子供に受けるとは思えませんが(笑)。スタッフのユニフォームもお巡りさん仕様でした。
ゲーム自体は何のことはないUFOキャッチャー中心のどこにでもあるようなもの。
UFOキャッチャーに「こち亀」のマグカップがあったのですが、どー見ても絶対捕れない置き方だったので、在庫限りの商品をディスプレイ代わりにしているとしか・・・。
前回、徳島のエントリで「天水」という言葉が出たので「天水」つながりで。
といっても、今回はマンガ。ご存知、奇才、花輪和一の不思議なお話。

ここでの「天水」とは河童の頭のお皿の水のことです。河童のお皿の水は大きな池になっており、この世とあちらの世界を繋ぐ水路のようになっています。
お話は、まだ、妖怪と人間が同じところに住んでいた平安時代のころ。男の子のような童女と、奇妙な術を使う河童さんが、お互いに助け合いながら、妖怪や悪党に立ち向かっていくというもの。のほほんとしたムードと恐ろしい雰囲気が渾然一体となった和風ファンタジー。といっても、お気楽なアドベンチャーものではなく、人の業に深く切り込んでいくような一筋縄ではいかない物語なのです。
激しい夕立の中、童女がウリを運んでいます。雨宿りしていると小さな河童が現れ、
「ああっいいウリ」「すごく好き、すごく好き」
といいながら、ウリに抱きつき、そのまま池に消えてしまいます。
童女が
「ああっ・・・へんなやつにウリを1個とられてしまった」
と嘆きながらどうにかこうにか帰宅するとなぜか河童さんが着いてきます。それが縁で二人は意気投合し一緒に旅をすることに。
童女は生き別れたお母さんをさがし、河童さんは仙人をさがす旅です。二人は魔物どもに魅入られるようにいろいろとひどい目に遭いますが、なんとか知恵と勇気で切り抜けていきます。しかしながら作者は、勧善懲悪の単純な図式で悪を相対化するのではなく、主人公たちに、自らの内側に潜む宿業とでもいうようなものから目を背けないということを求めていきます。
それにしても、不思議で、のほほんとして、そしてとても怖いマンガです。気持ちの弱っているときにはあまりおすすめできません(笑)。