前回に続いて「10×10」升の方眼をいじってみます。
方眼を二つ重ね、45度ずらすと、

ずれた交点をプロットしていきます。

点対称のモザイク模様が現れました。(線のつなぎ方は一通りではありませんが)
ちなみにに方眼を30度ずらして重ね、プロットしてみると、

角度によっていろいろ変化します。繰り返し模様になっていると思います。
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- 2018-10-02
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エッシャー先生の『上昇と下降(Ascending and Descending)』の段数を数えてみると15段か16段になるようです。わざとかどうかは分かりませんが、少し見えにくくなっています。
前々回、「その1」でこの無限階段はアイソメ上で簡単に描けると言いましたが…どのような条件でも成立するという訳ではありません。条件としては、60°、120°の同一のひし形を階段のフットプリントとして水平に並べ、垂直方向での段差の高さが等しいということですが…

そのような条件で並べても上記の通り階段が一致せず成立しない場合もあります。
アイソメ上で「ペンローズの(無限)階段」がどのような条件で成立するかは簡単な計算で求めることができます。
この問題は高校や大学で図法やデザインを学ぶ学生さんにとってはとてもよい課題なので宿題としておきましょう( ´∀` )
課題:アイソメトリック図上で「ペンローズの階段」成立する条件とは?どころで、自分がこの錯視に興味を持った理由は、「そもそもこの階段が成立する最小段数はいくつだろう?」と思ったのが始まりです。
「その1」では12段の図を載せました。
さらに減らして8段でも成立!

実はこの厳密な条件下では6段が最低の段数であることが分かっています。

もちろん、その1で書いたように階段の真ん中に穴が開いているのかどうか微妙なところがありますが。
さて、ここで少し条件をゆるめてみましょう。階段のフットプリントの形状を同一でなくてもよいとします。昇降方向に対し、幅さえ一定であれば階段の長さは問わないようにしてみます。すると、この6段の無限階段から…
5段

4段

3段!

どうでしょうか?無限階段になっていて、アイソメ上、矛盾はありませんよね?
しかし、少なくなればなるほど、真ん中の壁が穴になっているのかどうか気になりますね。そこでその解決策を考えました。
気になる部分を見えなくすればよいのです。

真ん中に柱を立てるか穴を開けてしまうかです。ただ、柱は見せたい部分が見えにくくもなるので、穴の方が適していますね。
この手法で3段を描きなおすと、

完璧!実際に存在できそうなぐらい矛盾がありません。
まだ終わりません。この勢いで…

なんと2段の無限階段も描写可能!
しかも形状としては8個もバリエーションができます。

さらに穴を開けると、同一形状になるものが出るので数は減るのですが、非常にエレガントな形状になりました。
アイソメ上で段差と幅が同じで無限階段になっています。
つまり最低2段あれば無限階段が成立する訳で…
いやいや、
まさか、

1段…!
条件は満たしています。
面白いことに時計回りで昇る場合、段差が右側に来ると成立しないのです。描いてみてください。
で、穴を設定すると、

これぞ究極!1段で無限階段。
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- 2018-06-13
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前回の立体カレンダーはイレギュラーな星形八面体でした。
やはりひねりを入れるなら全ての角に行いたいなと。
いろいろ試作しているうちに、「あ、正三角形の中点で繋げばいいのか。」と気が付きました。
で、できたのがこれ。
「Twisted Stella Octangula Frame」

美しすぎる!自画自賛(笑)
展開図です。これも一つに繋がりました。
正四面体になる三角形の部分を全部糊付けしてから、短い辺ののりしろをつないでください。割と簡単です。
違う方向から。

星形八面体と同じく、立方体にきっちり収まります。
さてさて、ここまでやると四角い穴を塞ぎたくなるではありませんか。しかし、これが難しい。どうも展開図に向かない形状の様です。一筋縄ではいきません。作図手法でなんとか部品を作り、つないでみました。

歪みがあるのは無理して組み立てたからか、設計が間違っているからか(;^_^A
いや、これ、製図手法で図面書ける方は堀越二郎レベルですよ(笑) あたしゃ、今一つ自信がありません。

年内はこれで最後かなあ。では皆様、よいお年をお迎えください。
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- 2015-12-18
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2016年の立体カレンダーができました。
いつも何かおもしろい形状を探しているのですが、過去のものを見たときに、ちょっとトゲトゲ成分が少ないかなと思い、今回は尖ったものを。
で、思い当たったのが「星形八面体」。
いろいろ思いついても「カレンダー」なので12か月分のデータが載せられないといけません。また、作り易さ、展開図がA4に入るか、などいろいろと制約があります。
さて、ウィキペディアより引用すると、
『星型八面体(ほしがたはちめんたい)または、ステラ・オクタンギュラ(Stella octangula)とは、正八面体からできる唯一の星型多面体である。また、2つの正四面体の複合多面体である。
(中略)
ドイツの数学者、ヨハネス・ケプラーが発見した立体で、最初に発見された星型多面体と言われている。』
しかしながら、けっこう折り紙で作られる方もおられてかなりポピュラーな形。
そこで一工夫してカレンダーの12面分に「ひねり」を加えてみました。
それによってユニークな形状になったばかりか、カレンダーを載せる部分の面積が増えました。名付けて「Partially-twisted Star Octahedron Calendar 2016」。
拙
HPか、下記よりDLしてください。
作り方
今回は例年になく簡単でしょう。
折線にスジを付けた後、まずはカレンダー部分を接着し、三角錐を作ります。

次に月表示の大きな数字のある土台部を合わせます。

反対側も同じように接着し、二つを合わせます。

そのまま正四面体になるように土台を接着します。

完成!
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- 2015-12-07
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ずいぶんブログをアップする時間が空いてしまいましたm(_ _)m
偶然またまた五角形について調べる機会があり、思い出したのがこれ。
夢枕獏 原作、岡野玲子 画 のご存知『陰陽師』。
この第六巻に下記のような五角形の説明がありました。

大きな円の中に半分の半径の円を二つ並べます。

「太極図」ができます。
外側の円を「太極」、中の円は陰と陽の両極。
「一である太極は二である両極を生じ…」と解説されます。
さらに中心線によって分かれる4つの象限は「春夏秋冬」を表すとのこと。
そして「木火土金水」の「五行」を生じます。

縦の中心線が外円と交差する点 O から内接する円に接円弧を引きます。外円と交差する距離が五角形の1辺になります。さらに外側で内円に接する弧が外円と交差する点が次の五角形の1辺にもなります。いや、美しい。
この図は前々回の作図法にも劣らず覚えやすい五角形の描き方ですね。
さて、より詳しい陰陽五行の薀蓄は漫画版の陰陽師6巻をどうぞ。それにしても岡野さん、この解説の絵を漫画の絵としてパースをとるために全部「楕円」で描いているのが凄いんですよね。
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- 2015-12-02
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