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『エッシャー 視覚の魔術師』

191213

ギリギリで申し訳ないですが、東京でのエッシャー先生の映画、『エッシャー 視覚の魔術師』のお知らせです。


『エッシャー 視覚の魔術師』


UPLINK渋谷 『エッシャー 視覚の魔術師』



UPLINK渋谷では、12/14,15,21,22の午前回の後に、日本テセレーションデザイン協会代表の荒木義明先生とスペシャルゲストのTalkイベントが行われます。エッシャー好きの方はぜひお運びください。


191224 追記

映画を観てきました。

のどかで美しい風景に癒される映像もあれば、戦争の場面では非常に大変な当時の様子が紹介されていて重たい気分にもなりました。エッシャーは比較的裕福な家に生まれて親の遺産もあったようですが、やはりそんな大変な時代を生き抜くのに苦労したのですね。
しかしながら、そんな大変な時代の中でも、数理がアートとして立ち現れることの面白さに魅了され、版画から離れられませんでした。「クリエイト」することの面白さに取りつかれた人種に共通する想いが、とてもよく分かります。
エッシャーが実際に版画を制作する貴重な映像もありました。

そしてエッシャーが残した作品の面白さは後々の世代にも受け継がれていくのです。



さて、映画の終わりに日本テセレーション協会の荒木さんのお話があり、渋谷道玄坂にあるマンホールの秘密を教えて頂きました。



道玄坂のマンホール

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テセレーションになっているのです。こちらは走る人。

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そして、90度横から見ると…


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なんと犬が!渋谷だけにハチ公でしょうか。






今こそ『ディープインパクト』を観よう

大地震から1週間。

実際に被災したわけでもなく、本棚の本が飛び、食器が割れたぐらいですが、あの地震は確かに恐怖でした。もちろん、現地での惨状を思えば、比べることさえ恥ずかしいほどの経験なのですが…

いつもならすぐに収まる揺れが、収まるどころかどんどん強くなっていく。部屋中がきしみ、私は何もできず、ただただ、目の前のパソコンのモニターと本棚が倒れないように押さえているだけでした。ほんとはそんなに長かった筈はないのですが、2分ほども続いたように感じました。本棚の倒れ止めが2本とも吹っ飛んだときにはもうダメかもしれん、と思いました。

その後すぐの余震も1度目を凌ぐかのようにさえ思えました。

とにかく、机の下に入るとか、退避行動など全くできない自分がいました。頭の中にあったのは、押さえているモニターが床に落ちてブラウン管が破裂したら、後片付けが大変だ、ということ(笑)

確かに後から冷静に考えれば、それどころじゃない筈なんですが、思考が停止するんですね。あと、マンションにいると、逃げても仕方ないと普段から思っているということもあります。建物が崩れるような地震ならどの道、命はないと思っているところがあります。

その後からしばらくは大きな余震が続き、その度に夜中でも、携帯の緊急地震速報のブザーが鳴り出すので、不安でよく眠れない日々を過ごしました。これは東日本の方は皆、同じだったに違い有りません。

多くの人がTwitterで地震酔いのような症状を訴えています。私も同じで、いつも新幹線のトイレで用を足しているような不安定な感覚(笑)に苛まれています。

実際、どれだけ地震があったか、このサイトを見るとよく分かります。


Japan Quake Map


凄まじいと言うしかありません。

そして、東南海地震や関東直下型が連鎖して起こるのではないか、というような不安もさることながら、今は、福島の原発の事態を固唾を飲んで見守っているところです。

この件に関してはもちろん素人なので、事態の終着点など知るよしもありません。ただ、専門家といわれるような方々でさえ、いろいろと意見が分かれる中、自分が何を判断基準として、どのような行動を取ったらいいのか、多くの情報の中から自分のベクトルを探し出していくという希有な体験をしました。いや、今もしています。

その中で最も有用だったツールはTwitterです。地震直後から携帯が不通になる中、Twitterだけは活きていました。これは詳しくは知りませんが、1パケットで送れるデータ搬送の軽さにあるようです。

そしてネットの集合知を繋ぎ合わせるのにこれほど簡便で即時性のあるツールはないということを実感しました。

もちろん、有象無象のノイズも多いツールで、デマの拡散も早いのですが、その分、それを修正しようとする力も働きます。しかも今回、皆が時と共に、拡散時のフィルタリングを慎重に行うようになっていくのが分かりました。Twitterに関しては皆が今回の経験でいわゆる「ネットリテラシー」というものを向上させたと思います。

そして、テレビやラジオなどのメディア、ネットから集まった情報を判断して自分の行動方向を決めるためには、いくつかの要素があることが分かりました。

1つめは、個人個人の教養です。例えば原発についての情報を判断するためには、多少なりとも物理学に対する理解力が必要です。分からなければそれが分かるような基礎的なところまでネットなどを遡上していく必要があります。ここには海外のサイトから情報を得るための語学力なども含まれるでしょう。

2つめは、個人の感情。放射能汚染のようなよく分からない怖い情報に接して、それに目をつぶってしまうか、それに対峙するか。あるいは、自分と異なった意見に対して、怒りをぶつけたり蔑んだりしてしまうのか、許容するのか。今回は自分も思わず感情的になったりする場面もあり反省しています。とにかくどこまで冷静さを保てるかということ。

3つめには、自分の価値基準です。つまり、あなたは結局、事、ここに及んだときにどうするのか、ということ。結局、これが最も重要なことなのかもしれません。例えば、単純化すると、このような極限の状況に陥ったときに、大切なのは自分の命か、家族か誰か他の人の命なのか、といったようなこと。金なのか、仕事なのか、名誉なのかというようなこともあるでしょう。そんなの簡単に答えは出る筈もありません。そんな判断しなくてもよい日常が続けば良かったのに。夢なら覚めてほしい、と心底思います。でも、今でも現実感のないこの悪夢のような出来事は実際に起こってしまいました。誰もが何かを決断しなければならないときが来るかも知れません。
私はとてもヘタレで情け無い人間です。しかし、今、他の人のために頑張っている人がいる以上、少しでもやせ我慢していられたらと思います。


あー、多分、ストレスの所為で長文になってしまいました。ま、誰も読んではいないでしょう。


今日はこんなときにこそ見るべきSFの名作を観ました。

『ディープインパクト』1998年アメリカ映画。ミミ・レダー監督、スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮。ドリームワークス・パラマウント映画共同配給。

お馬さんではありません。地球に巨大彗星が衝突するというディザスタームービーの定番設定SF。

天文学に詳しい人から言わせると科学考証部分にはやや難があるそうです。そもそも地球直撃コースにある彗星の情報を1年間も隠しておくことは無理だとか。アマチュア天文学者にも分かるそうです。その他、非常に重力の弱い彗星の表面を走ったり・・・

ま、そこらへんは置いておいて、ひょんなことから主人公の女性記者ジェニー・ラーナーが重大な秘密に近づいていくというイントロから、まるで推理もののようで引き込まれます(出てくる10年前のパソコンも懐かしい)。

とにかく女性監督らしく、登場人物それぞれの心のひだを丁寧に描き、ハデさはないものの、甘いところの微塵もないすばらしい映画です。この映画で描かれれているのは、派手なSFアクションではありません。テーマは、いわば「人間の尊厳」でしょう。

宇宙船の船長に扮するロバート・デュヴァルがすばらしい。そして常に最悪の事態を想定して、見事な指導力を発揮する大統領役のモーガン・フリーマンも見物です。今回改めてこれを観て、我が国の政治家と見比べて落ち込んでしまい・・・あ、それじゃ逆効果でんがな!


最後の最後にオマケ。本当の絶望とはこういうこと。これに比べたら、今度の震災に対してどのように向き合うべきか、希望が見えてくるかもしれません。



直径400kmの巨大隕石が衝突したとき、地球で何が起こるのか










地デジの功罪? 映画の本質と映画館の終焉?


前回、デジタル薄型テレビの画質がすごいな、ってことを書いた。

で、そこから他にも予想外のあることに気がついた。

何かというと・・・もう少しで画面の中に入れるんじゃないか、ってことだ・・・・「貞子か、おのれは!」と突っ込みが入りそうだけど(笑)。


私は映画館で映画を見るのが好きだ。もちろんDVDも借りたりするけれど、やはり映画は大画面で見るべきだと思う。なぜなら、時々、映画の中にダイブしてしまうような感覚が得られるからだ。

ま、これは、共感してくれる人もいれば、?の人もいるだろう。

そもそも映画の本質とは何か?というと、いろいろ意見があるだろうけど、一言でいうとSFでいうところの「センスオブワンダー」だと自分では思っている。

そこに在るはずのないものがそこにあって動いている。非現実の別世界がそこで展開されている。それを様々な視点から見て、その世界と繋がり、あたかも現実であるかのように共体験する。つまるところ、「目玉のびっくり体験」なのだ。(そういう意味ではこのところの3D流行りなんて実に正統派の展開だと思う。)


映画の草創期、人々は皆、これにびっくりし、感動したのだと思う。ドラマ性がどうの、カメラのカットがどうの、芸術性がどうの、モンタージュ理論が・・・それらは次第に映像が芸術として認知されるようになり、後から付け足された技術論にすぎない。

ベルギーのジョゼフ・プラトーが1833年に考案した「フェナキスティスコープ(Phenakistiscope)」の呼びを「驚き盤」と命名したのは「古川タク」であったが、はじめて映画を見た人たちはみな同様に驚いたのである。

フェナキストスコープ


かつて映画が「活動代写真」と呼ばれていたころ、活動弁士はこんな口上を述べた。

「文明開化はエレキ応用、ついに写真が活動をば、開始したのであります!」

なんとも、動くことそれ自体が驚きであった様子が伝わってくる。

こんな感覚はそれほど大昔だけのものではない。かつて私の叔父が語っていた。映画館で『帰らざる河』を見たときの話だ。ロバート・ミッチャムとマリリン・モンローが競演したこの映画は、タイトル通り、激流を筏で下るシーンがひとつのクライマックスとなっている。。

映画館で、観客は皆、河の水を避けようとして身を捩ったと言うのだ。1954年公開というから戦後もそろそろ10年が経とうとする時期。もちろん、この映画は3Dなどではない。シネラマや70mmという超大画面の映画が上映されるようになったのはもう少し後のはずだから、これはさほど大きな画面での映画ではないと思う。(シネラマは35mmx3本分の映写だとか)

それでも、「水がかかるかと思った。」と叔父は言った。やはり意識が映画の世界に捕らわれていたんだと思う。実際に今見ると、河と筏の合成なんかもオソマツなものなのだけれど・・・。







ましてや視界を全て埋め尽くすような大画面の映画館は、それこそ映画の中に入り込むのには最適だろう。今は残念ながら昔のような大きな映画館はほぼ無くなった。シネコンなどは予想以上に小さな画面でがっかりすることも多い。「試写室かいっ!」って突っ込みを入れたくなることだってある。

それでも私はあわよくば映画の中に取り込まれる体験をしたいために、スクリーンが視野をほぼ占めるように、前の方に座ることが多い。

で、私が印象に残っているのは押井守の『イノセンス』。といってもIMAX版ではなく、「よみうりホール」という小さな会場で上映されたごく普通の映画だ。「攻殻機動隊」が好きだったこともあり、私はオープニングから画面に引き込まれた。すばらしい立体感というか臨場感があったことを覚えている。特に、なぜかバトーがコンビニでハックされるシーンが印象に残っている。このとき、私の目はバトーの目となって、コンビニの棚の商品を見ていた。手を伸ばせば商品に触れられるような臨場感があった。私は映画の中に浸っていた。つまり、この感覚には実写かアニメかということは関係ないってことだ。

興味深いのはこの後のこと。実はこの映画、試写会で見たんだけれど、たまたま一週間後の試写会も当たっていたので、もう一度その感動を味わいたくて、再び出かけたのだ。場所は同じくよみうりホール、座席もほぼ同じ場所。

ところが、ところが・・・本当に同じ映画を観ているのかと驚いた。画面が、全く平淡に見えるのだ。1週間前の臨場感は消え失せ、映画の中に入ることはついぞ無かった。

これはこういうことだと思う。つまり、知らない場所へ行ったときと同じだ。はじめての道を往復すると、往きの方が帰りよりも長く感じることが多い。これは知らない場所だということで、脳が目印などを覚えようとして、活発に活動し、脳のクロック数を上げるからだと思う。(だから不動産屋は客に物件を見せるときに、駅から遠いという印象を与えないために、必ず車で送るんだとか。)こども時代の方が歳を取ってからよりも1年が長く感じるのも同じような理由だろう。

つまり期待してワクワクしながら観ると、一瞬も見逃すまい、と脳が活発になり、臨場感が上がるのだと思う。それに比べて2回目のときには、展開がどうなるか、どんな映像が流れるか、既に知っているわけだから脳もさぼっていたに違いない。

私が作り込まれたリアルな宇宙空間が出てくる映画で、このような没入感覚を味わうことが多いのも、自分がSF映画が好きだからだろう。昔の人々にとっては奇抜な映像体験や娯楽そのものが少なかったので、みなワクワクしながら映画を観たに違いない。そして観る度にこのような没入感覚を味わっていたのでは、と思う。


私が映画は映画館で観なくては!と思うのは一重にこの感覚に浸りたいからだった。(没我我入できたからと言って、その映画が映像ドラマとしてすばらしいかというと、、それはまた別の話。実際、私は『イノセンス』に不満な点が多々ある。ただ、私の場合は作劇の細かい技術論よりも非現実な世界へ「ダイブ」出来るかどうかという方が重要であり、それが映画のそもそもの本質ではないか、と思っている)

さて、「だった」と過去形なのは、この昨今のデジタルテレビの高画質化、大画面化により、映像へのダイブ感覚という部分が、家庭のテレビでも得られそうに思えてきた、からだ。

20年ほど前に民生用ハイビジョンテレビが作られた当初から、画面の画質の良さをアピールするために水槽で熱帯魚を飼っている映像を流すというようなことが行われてきた。つまり、本物と区別が付かないほどの高画質で実際の水槽の代わりになるぐらいですよ、と。

最近では窓に嵌め込んで外の景色を映すというようなまさにSF的な使い方をしている映像なんかも少なくない。前回のエントリで写真を撮ったように、実際にそこに本物があるのと遜色のないレベルまで画質は上がってきている。まさに空気感まで表現されるかのようだ。

実際に少し前に映画館で観た映画が地デジで放送されているのを見ると、細部の高精細感がすごくて、映画館で見たときよりも臨場感を覚えてしまうほどだ。我が家の大きくないテレビでさえそうなのだから、より大きくて高画質なテレビが普及し、また立体音響のスピーカーなどがもっと一般化すればそれこそ「ホームシアター」なんて各部屋ごとのものになるだろう。

もはや家にある古いDVDの再生機ではテレビの画質の良さを活かしきれない。もうすぐ、VHSがDVDに取って代わられたように、DVDもBDなどにその座を明け渡すだろう。

3D だなんだという流れもあるし、驚くべき速度で大画面のテレビは低価格化し、高画質なBDやHDD録画機が普及しつつある。さてさて、そうなったら・・・もう本当に私でも映画館に足を運ぶ理由が見つからなくなりそうだ。かつてのシネラマのような超大画面の映画館があれば行ってみたいという思うけれど、巨大設備は非効率だし、どこにでも設置できるというものではないだろう。

テレビの高画質化ということから思いもかけず、「映画館」という業態が近い将来、加速度的に先細りになるのでは、と感じてしまった。






『アバター』3Dを観てきた

3D映画の『アバター』が評判ですね。

「アバター」で現実に絶望のファン続出、ネットで相談も(CNN.co.jp)

どんだけすごいんか、と。

で、シネコンへ行ってきました。







えー、結論から申しますと・・・かなり「期待はずれ」でした、とほほ。


NHKの「クローズアップ現代」でも細かい技術的な説明までしてとりあげていたので、相当期待していたのですが。曰く、最近の3Dは焦点距離や視線方向を調整し、昔と違って非常にナチュラルになっている、云々・・・。

「3D映像がビジネスを変える」(NHK:クローズアップ現代)

はっきり言って、大昔にマイケルの『キャプテンE.O.』を観たときの方が感動したな。あのときは観客が皆、目の前に出て来た映像をつかもうとしていたぐらいだから。

今回はそんな立体感はほとんど無し。もちろん、そういう極端な立体視は目が疲れるのだろう。これも「クローズアップ現代」で言っていたんだったか、最近のものは逆に奥行き方向への立体感を重視して、映画の世界の中に観客が入り込むような設定になっているらしい。

しかし、個人的な感覚では、それは観ているとすぐに慣れてしまうんですね。センスオブワンダーが非常に薄い。

それよりも3Dの短所の方が上まわった感じです。


その一つは3Dの上映方式によるのかもしれないのですが・・・。

『アバター』の3Dにはいくつかの方式があるとのことで、詳しくは「にわか映画ファンの駄目な日常」さんの記事をご参照あれ。

3D映画の方式について

私が観た方式はこの中の「RealD」という方式のもの。
こんな眼鏡を使います。

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これは昔ながらの偏光板方式。(※1)

で、こいつの最大の欠点は映画のトーンが一段階も二段階も落ちるということ。途中で眼鏡を外すと実は彩度の高い映像が目に飛び込んできて、むしろそっちの方が「目から鱗が落ちたような」、と表現したくなるほど美しく感じたほどです。


で、もう一つの欠点は、これは「XpanD」でも同じかもしれないのだけれど、3D映画は映像として焦点のあっている部分に目の方も焦点を合わせるように強制するので、製作者側の意図と違うところを観ようとすると目が疲れるということです。それが3Dなので、ついつい焦点を合わせようとしてしまう。もちろん、当然合うはずがないわけです。おかげで眼精疲労で頭痛気味です。



映画自身は物語はもうトレーラーを観て分かる筋立て以上のものはありません。非常に単純で分かりやすいし、ある意味「お約束通り」で期待を裏切りません。冒頭の『「アバター」で現実に絶望のファン続出』というのは3D映像がすばらしいから、ではなく、単にお話が、自然豊かで美しいナヴィ族の星を人間が資源目的で蹂躙するという物語で、自分が加害者側の種族だからでしょう。しかし、あんたら散々今まで(今でも)やってきたことと違うん?何を今更(笑)。

結局、この話も最後は戦争になってどんだけ死ぬねん、ってくらい命が失われるわけで。いつもながらのステレオタイプな話で、命の軽いことこのうえない。種族間の紛争を解決するのにそろそろ他のしゃれたやり方は思いつかないのかねえ?殺し合いの血に飢えた映像を見せなければ観客は納得しないだろう、というのではいつまでも客を舐めたもんだなあと。(しかも、何この「続編もやりまっせ」感・・・)


3Dということを抜きにしても、惑星パンドラのCGは圧倒的で美しいです。ほんと、どんだけ費用と時間をかけたのか、ってくらい。いや、だからね、まあ、「XpanD」方式は観てないんだけど、はっきり言って2Dの方がよかったんでは?と思います・・・

個人的には、少なくとも今後「RealD」の3D映画を観たいとは思いません。


※1:昔のものは「直線偏光」だったかと思います。今回のものは「円偏光」という方式とのこと。

偏光(Wikipedia)


↓『アバター』の全3D方式を体験した方のブログ。参考になります。どの方式も一長一短のようですね。
「IMAX3D」・・・」そりゃ行ってみたいけれど、遠いし高いし・・・。


『アバター』3D全方式完全制覇レビュー (It's a ...)






映画『THE 4TH KIND フォース・カインド』

注:内容に関するネタバレはないのですが、個人的に映画手法の「種明かし」をしてみたので、映画を見て純粋に怖がりたい方は読まないが吉です。





試写会見てきた・・・見なきゃよかったってくらい、めちゃくちゃ怖かったっす。これは笑っちゃう人と怖がる人と分かれる映画かも。個人的には怖さのツボに入ってしまいました。ちびります。

CMが怖すぎてお蔵入りになったという、よくある宣伝手法を使っているけど、これはマジ。ドラマのキーである夜中の3:33から1時間ネットで公開しているとのことだけど、余計にコワイ。


『THE 4TH KIND フォース・カインド』


「フォース・カインド」お蔵入りCMが毎夜3時33分に限定公開(eiga.com)




アラスカ州ノームという町では多数の住民が行方不明になっている。ノーム在住の心理学者アビゲイル・タイラー博士のもとに多くの不眠症を訴える患者が訪れる。催眠療法でその原因を探ろうとする博士は衝撃の現象を目撃することになる・・・

こんなヤバイ映画がR15どころか、PG12にさえなっていないのは不思議。こどもが見たらドラウマになります。


えーと、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」以来、ハンドカメラで撮ったリアル・ドキュメント映像風のホラーはひとつの手法として確立された感があります。最近でも同手法の低予算映画『パラノーマル・アクティヴィティ』(2010年1月日本公開予定)がアメリカのボックスオフィスを席巻しました。


さて、この『THE 4TH KIND フォース・カインド』はさらにその手法をすすめた新手の構成をとっており感心しました。

というのも、映画冒頭で主人公役のミラ・ジョボヴィッチがいきなり登場してこのようなことを告げます。

「私は映画に登場する心理学者のアビゲイル・タイラー博士を演じるミラ・ジョボヴィッチです。この映画には65時間以上の実際の記録映像の一部とその再現映像で構成されています。プライバシーのため一部匿名になっています。映像にはかなり衝撃的な部分があります。真実をどうとらえるかはご自身でご判断ください。」

そして「記録映像」というものと役者が演じる「再現映像」が交互にあるいは並列されて上演されていく。「記録映像」と「再現映像」はほぼ同じ構図であり、ご丁寧なことに再現映像では役者の名前も記載されている・・・


つまり、非常に巧妙なミスディレクションがしかけられているわけです。わざわざ「再現映像」を作っているということで、その同じフレームの「記録映像」は本当の記録なのだ、と思わせるわけです。これが実にコワイ。

「一部、記録映像を使っている」というからには実際にそういう部分もあるのでしょうが、よく考えると映画を見る人が「記録映像」だと思っている部分が全て実際の「記録映像」だとは誰も言っていないのですね。もちろん「記録映像」と思わせる部分のほとんどが「フェイク」でしょう。

「再現映像」との対比で「記録映像」部分に非常にリアリティを与えているわけで、怖さもいや増します。注意深い人なら最後の最後で「記録映像」がフェイクであることのヒントを製作者がわざと付け加えているのに気づくかもしれません。


え、見てみたい?知りませんよ、眠れなくなっても・・・









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