折本について集中してまとめてきましたが、これで一旦終わりです。
今回は「折本」ならぬ「折り紙本」?
Twitterでお相手してもらっているポップアップの師匠(私淑)にご紹介頂きました。
一枚の折り紙で折る、非常にリアルなハードカバー調の本です。
奥の二つが通常の折り紙サイズの紙、手前はやや大きめの包装紙で折ったものです。
背の厚みもしっかり。
中身は扉もあり、裏側の白い部分がそのまま「束(つか)」にあたり、8ページの本体となります。
オリジナルの作者は不明ですが、プロの折り紙作家である、「Yuri and Katrin Shumakov」さんによるのではないか、と推察しています。
折り紙は著作権が難しい上に、最近ではYouTubeでいろいろな方が原典を明示せずにアップするので本当に考案者が分からないものばかりです。その分、楽しい折り紙の世界が広がるわけでもありますが、ここまでの作品が苦労せずに創作できる訳がありません。
一応分かり易いYouTubeを貼っておきますが、原案者へのリスペクトを忘れず、個人での楽しみで折るに留めてください。最初はかなり難易度が高いと思われるでしょう。しかし、3回くらい折ってみると要領がつかめてくるかと思います。
VIDEO
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2015-02-23
デザイン
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さて、多ページの折り本で、「horirium式」の要件は一枚の紙が繋がって輪っかになっていることです。え?そんな必要あるのかって?
ありません…ね…(;^_^A
これは8ページの折り本を16ページにしようと考えていてパズル的な興味を感じたからです。実際は多ページの折り本を作る場合は「つづら折り」方式にした方が簡単で実用的です。
まあ、そこで「つづら折り」に対して「一筆(書き)折り」と呼んでみました。
なので今回紹介するものも、多ページ折り本における「エレガント解」といったところでしょうか。
32ページ折り本
左右対称の綺麗な折り方だと思います。色々やってみて、非対称でも折り本になる場合もあれば、対称形で繋がっているのに折り本として成立しない場合もあることが分かりました。
16ページのものと同様、左綴じにした場合、最終ページ(とその前)が厚み吸収でずれることになります。こういうズレが嫌な場合は62、63ページを犠牲にして糊付けし、調整することもできます。
64ページ折り本
同じく64ページ。このやり方でページ数を増やしていっても成立する筈です。(48ページってのも成立しました。)面倒臭いのでもう止めますが(笑)
実際作ってみると見た目よりずっと簡単にできました。まず切る前に折るのですが、基本的に紙を半分に折っていくだけなので定規で折り筋を付ける必要もありません。折り線もまずは山谷を意識せず折って行けばいいでしょう。
左から一般的な8ページ折り本、16、32、64ページです。全部A4サイズで作った場合の大きさです。A4では豆本でもA3やA2で作れば実用的なノートなどができそうですね。
※ちなみに日本では折り方それ自体に関しては著作権や工業的所有権は発生しないと思います。製品になっている必要があるわけです。
それで創作系の折り紙作家さんが、自分の作品を他所のワークショップなどで勝手に使われ、トラブルになっているケースを見かけます。
個人で楽しまれる以上に、ワークショップ等で「horirium式」を使われる場合は、考案者を明示していだければ嬉しく思います。(え、こんな面倒なもの作る人いない…ごもっとも(;^_^A)
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2015-02-14
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折り本作家の楠樹さんの折り本の作り方を紹介いたします。
楠樹さんの方式は「つづら折り」というやり方です。
私のように複雑な切り方を必要とせず、折り方もただジグザグに折っていけばよいので、非常に分かり易いよい方式です。
楠樹さんはこの方式で16ページ、32ページ、そしてなんと64ページの豆本も作成されています。これは脱帽です!
しかも折り方等、無料で公開されています。(一部テンプレートは有料)
「楠樹式折本の作り方(無料版)」 「楠樹式豆本の作り方」 詳細は上記サイトを見て頂くとして、ここでは「楠樹式つづら折本」の32ページのものを簡単に説明します。構造的な説明にフォーカスしての説明なので、細かい部分では「楠樹式つづら折本」と必ずしも一致していないところがあるかと思います。ご了承ください。
基本的に縦8等分、横4等分に折り、互い違いに切れ目を3本入れるだけです。折り方も1ページめから互い違いに折って行けばいいので非常にシンプル!
後で「horirium式32ページ折り」を紹介したいと思いますが、パズル的要素が強く、実用性においては完全に「楠樹式つづら折本」に軍配が上がります(;^_^A
ここでは分かり易くするために1~32まで数字を入れ、32ページめを裏表紙として設定してあります。今回は右綴じで、斜線の部分が「背」にあたります。
折るとこのように蛇腹状になります。
このまま何もしないとバラけて扱いにくいので、背の内側にあたる部分に糊をぬって32ページの裏表紙を貼るとよいでしょう。裏表紙は背の厚みの分だけ小口側からずれることになります。
とにかく折り方次第で非常に精度の高いものを作ることができます。
A4で豆本を作るもよし、A3でメモ帳などを作るのもおもしろそうですね。
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2015-02-12
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間が空きまして申し訳ありません。
「折り本」の続きです。
「horirium式16ページ折り本」は数年前に8ページの折り本を16ページにできないかと思い、開発したものです。
そのまま放ったらかしにしてあったのですが、昨年、Twitterで折り本作家の楠樹さんと知り合い、気に入って頂いて日の目を見ることとなりました。
16ページの折り本については検索した限りでは、海外に似たものがありましたが、方式が異なっていたため、この方式を「horirium式」と自称しておきます(;^_^A
折り方
この図はどちらも左綴じ、右側開きの場合です。
縦横4等分に折り、太線のラインをカットします。
表紙の部分だけ折り山谷が変わるのですが、一旦無視して折ると下図のようになります。
この状態で1ページと16ページの間を山折りにします。
ページの始まりは本来なら奇数ページのどこを最初にしてもいいのですが、紙の厚みが影響してくるので適した場所があります。
それは、この写真の16ページの左側の様に、袋状になっている箇所です。それならどこでも裏表紙と表表紙にすることができます。
16ページ折りだと、コピー用紙でも背の厚みが約1.5mmほどになります。
背の厚みに沿わせて袋状の部分を折ると、上の写真のように端から約1mm、また折り線が約1㎜ずれることになります。これは紙の厚みをこの部分を利用して吸収しているわけで、体裁上、ズレを最終ページに持っていった状態です。
厳密に作る場合はこの部分の折り線を印刷しないようにするとよいでしょう。
ズレる量は使用する紙の厚みによって変わります。
楠樹さんが「horirium式」として紹介してくださっています。
星くずのフラグメンツ(horirium式折本版)楠樹手帳2015(horirium式折本版)
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2015-02-11
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