虫を撮る
オリンパスのC-3030はマクロが弱く、被写体からせいぜい20cm前後までしか近寄れない。最近のSONYのサイバーショット(DSC-T50など)などには「拡大鏡モード」というマクロよりさらに高倍率のモードがあり、1cm位まで寄ることができる。これはもうちょっとした顕微鏡的画像といってもいいくらいだ。
当然ながら、そういう最新機種には較ぶべくもないが、ちょっとした工夫で意外と接写も面白いものが撮れたりする。

さて、ここで使ったものはなんとも情けない手製のレンズである。カーペットのコロコロの紙の芯を切って、100円の虫眼鏡からはずしたレンズを付けただけ。しかもセロテープで付けてあるし(笑)。
もーこのレンズがいい加減で、普通に新聞などを見たりすると文字が歪んで見えるぐらい。しかも写真で見ても分かるとおり、光学用の白色ガラスではなく、窓ガラスなどに使う緑色の、いわゆる「青板」というガラスである。

で、これをせり出してくる鏡筒に被せただけ。これだけで被写体から3cmぐらいまで近寄れ、被写界深度は短いながら背景のボケたそれなりの写真を撮ることができる。
以下、この夏、このレンズで撮った、我が家の柚の鉢植えにやって来たアゲハの記録を少し紹介。(実際はアゲハ、キアゲハ、クロアゲハの成長過程をかなり大量に記録した。個人的には非常におもしろく、幼虫の模様についても自然界のデザインとして考察するところがたくさんあった。しかし、ここでは虫の苦手な人もいるだろうし、ほんの触りだけに留める。)

アゲハの幼虫。孵化して、卵の殻を食べているところ。彼らはたんぱく質を補給するために殻や脱皮した皮などもきれいに食べる。エコロジー?

同じく幼虫。

小さいときは「鳥の糞」に擬態しているが、途中から青くなる。これはかなり成長したところ。模様については謎の部分もあるが、葉っぱに擬態しているということで細かい発見もあった。小学生のときにもっとよく見ておくんだった。今の子どもはデジカメなど使い放題だろうから羨ましい。

アゲハの蛹。これは羽化直前。殻が透けてきて、蝶の模様が見えるようになる。

アゲハの羽化。モフモフのフェザーショールを纏って気品ある女王様のようだ。実はこうしてきちんと羽化できる確率はかなり低い。
田舎なのでやってくる鳥や虫には事欠かない。望遠で覗いたり、接写してみると気が付かなかった自然の意匠が見えてきておもしろい。
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