富士を撮る
11月ともなれば空気も澄み、関東でも富士山の見える日が多くなる。晴れた朝にくっきりと富士が見えていたので、先日、
「月を撮る」で使ったデジスコで撮影してみた。

雄大な富士をバックに都庁が重なっている。電線が邪魔だが、まるでタランティーノの「Kill Bill」に出てきたような風景だ。知らない外国人が見たら、東京に対して間違ったイメージを持ちそうだ(笑)。
と言っても、合成でも何でもない。望遠で撮っているので遠近がつぶれているのだ。肉眼では小指の先ほどにしか見えないが、望遠撮影でトリミングすると非日常的な絵柄になった。
『富士山』というのは、あたかも日本の象徴としての共通イメージのように語られるが、地方に住む者にとっては実のところ単なる知識としての認識しかないと言っていい。自分も東京に出てくるまで見たことが無かったのだ。だから、北斎や広重があれだけ取り上げていて、子どものころからその絵を教科書で見て、あたかも日本人の遺伝子の一部のように刷り込まれるけれど、感覚的にはそのイメージが無かった。浮世絵などにあれだけ取り上げられているところを見ると、昔は関東の各地からよく見えて、よほど身近なものに感じていたのだろう。「富士見」なんて地名もあちこちにあるようだし。
東京に出てきてからも富士山を目にすることは滅多になく、たまに見えると、あらためて驚いたりする。
普段あまり気がつかないが、実際は11月から3月ごろまではだいたい2~3日に1回の割合で東京からも富士山が見えるとのこと。暖かくなると空気中の水蒸気の割合が増え、月に1、2日しか見えなくなるが。
では、それなのになぜ、東京で富士山をそんなに見ている気がしないのだろうか。
1.高い建物が増えた。これがまあ、第1の原因でしょう。
2.昔に比べて大気が汚れている。これはまあ、ある程度正しいようだ。明治時代に比べ今は半分の日数しか観測できないというような記事があった。しかし、大気汚染に関しては富士山の視認日数は1960年代半ばを最低として現在は随分と改善されてきているようだ。「1年間のうち富士山の見える日数」は東京都の環境政策のベンチマークにもなっているとのこと。
3.観測できる日でも早朝以外は見えないことが多い。朝、くっきり見えていても10時にもなれば見えなくなったりする。
ちなみに、
「都庁」のHPにリンクを貼っておく。ここの「31階からの映像はこちら」というところから富士山を望むライブカメラが見られる。
某日の夕景。

追加情報:
11/23(木)ストリーム・コラムの花道:日本坂道学会会長の山野勝さんの話、「冬の散歩にオススメな坂道」によれば、東京には「富士見坂」という名の付いた坂道が21箇所あるが、現在、富士山が見えるところは、そのうちの2箇所しかない、とのこと。ひとつは、荒川区の西日暮里駅近くの富士見坂と、もう一つは文京区護国寺前の富士見坂とのことです。
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morotaroです。
「超」整理手帳のユーザーブログのほうでも、
紹介させていただきました。
今後も、すばらしい紙クラフト
楽しみにしています。