所用で「徳島」へ。
8月12日からの「阿波踊り」を息を殺して待つかのように、市内はとてもまったりとして静かだった。
徳島駅の正面。トミカタウンのように小ぢんまりとまとまった街並。

正面の「眉山」は松嶋菜々子主演で最近映画化された、さだまさしの小説の舞台。
ロープウェイで上がり、「阿波踊り資料館」とやらを見るだけで¥1,500!もちろん、そんなものに興味はないので麓まで散策したのみ。「おどる阿呆に見る阿呆」とはいうけれど、そりゃ、きっとみんなで踊るのは楽しいだろう。「よしこの」(阿波おどりのお囃子)のリズムは「ケチャ」のように魂を陶酔させるものがあるのだろうことは分かる。資料を見るだけではつまらん!(踊りたいんか、俺?)
駅前のポストの上でも阿波踊りのお出迎え。

それにしても、徳島には何もない。本当に阿波踊りだけのようだ。名産品として「すだち」があるのだが、取り立てて力を入れているわけでもないようだ。土産物屋に並ぶ、すだち入りの菓子などは全国どこに行っても置いてあるような類で、しかも香料、着色料入りときている。
四国といえば「うどん」と思いきや、うどんは讃岐(香川県)の専売品?こちらではむしろ徳島ラーメンがご当地の名物らしい。豚骨醤油ベースの甘い出汁に、生卵を入れるというスタイルが基本のよう。2軒ほど入ってみたが、残念ながら全くピンとこなかった。
駅前の商店街を散策してみても、シャッターが目立つ。人出もなく、本当に元気がない。地方の疲弊というやつか。

ところが、11時前であったが、その商店街のとある喫茶店に入ったら、これが9割方の満員。かなり大きめの喫茶店であったが、入った途端に座っている人全員の目が注がれた。どうやら商店街のみなさん御用達の喫茶店であったらしい(笑)。自分達の店の開店を前にまったりとモーニングを楽しんでおられたご様子。商店街が閑散としていたので、その賑わいにほっとした。
新聞をさがしていると、ちょうど読み終わったおじさんが「よろしか?」と手渡してくれた。
「よろしか?」
いい響き。「あなたは読まなくてもいいのですか?」とこちらの立場で推し量ってくれる言い回し。徳島では皆ふつうに関西弁のようだったが、このごく普通の言葉に関西の大人の丁寧なニュアンスを感じた。もちろん、「おおきに」と受け取る。
閑散とした商店街と喫茶店の賑わいの対比。地元の人々のしたたかな活力と見るべきか、助成金の類などのおかげでまったりとやっていると見るべきか、短い滞在の間では知る由もない。しかし、とにかくあちこちでシャッターが閉まり、「貸し店舗」の札が貼られていることは事実。
わずかばかりの印象だが、街にはなぜか「靴屋」と「手作り菓子」の店が多いと感じた。靴屋はなんだろ?伝統産業でもあるのだろうか。
菓子やケーキなどは町興しに活かせないだろうか。すだちをはじめとして、柑橘類に特化した菓子やコンフィチュールなんてのはいいと思うが。
さて、ググッていたらある記述が目にとまった。
『なかでも踊りが大好きな人は「天水」と呼ばれます。余談ですが、天水は徳島の方言で「天から降る水と踊りがあればあとは何もいらない人」のことを指し、転じて「少しおめでたく、ひとつのことに熱中しやすい人」の意にも使われます。』(
「quali徳島」より)
どうも、この言葉が徳島のまったり感をよく言い表しているように思う。1年のエネルギーを来る「阿波踊り」で爆発させ、もう他に余力など残らないぐらいになるのかも(笑)。でも、観光の目玉が1年のうち、たった4日間というのはどうなのよ。直前に訪れたのがなんだか超つまらないんですけど。
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