キッズデザイン博2007(後編)
後編は具体的な展示の一部を紹介する。
「セーフティレポートプロジェクト」
株式会社ミサワホーム総合研究所
大人がこどもの目線に立った縮尺で拡大したキッチンのセット。セットが書割のようでリアルでないため、せっかくのおもしろい視点が活きていない。こういうのこそ、やっつけの展示ではダメ。展示も放ったらかし。
ホームページは非常に充実しており、こどものいる家庭は必見。せっかくの重要な研究だからもっと積極的に広報しないと。
(※写真が一致していないかも知れません。貰った会場地図と記憶がこれだけ一致しないのです。間違っていたら申し訳ありません。)
共創デザイン賞 「壱岐南小学校ビオトープ」 国立大学法人 九州工業大学 伊東啓太郎研究室/福岡市立壱岐南小学校
これは「前編」でのパネル展示のもの。
「ビオトープ」とは「地域の野生の生きものが暮らす、まとまった空間」のこと。森林や池、川、野原のひとつひとつの環境がビオトープで、当然ながら近年は開発によって減少しつつある。学校ビオトープはそれを校内に再現維持しようというもの。近年多くの小学校などで実践されている活動のようだが、不勉強にして詳しい実態は知らない。ただ、生物環境の維持をしていくためには綿密な計画設計と、管理が必要であろうことは想像に難くない。
「壱岐南小学校ビオトープ」については
「
環境緑化フォーラムinふくおか2006(pdfファイル)」
及び
「
いきみなみ小学校ビオトープproject」
の各リンク先に詳しい。
「壱岐南小学校」のHPが昨年?の12月から全く更新されておらず、あちこち放ったらかしで工事中であるところを見ると、どーも学校側の教育意識が高いわけではなさそうだ。「割れ窓理論」ではないが、ぶざまなHPを放ったらかしにするぐらいなら閉鎖した方がいい。こういう活動を実際に推進しているのも小学校の先生方ではなく、「国立大学法人 九州工業大学 伊東啓太郎研究室」側なんじゃあるまいか、と推察する。
「Studium 伊東啓太郎の風景ノート」感性創造デザイン賞 「ふじようちえん」 株式会社手塚建築研究所

手塚建築研究所とアートディレクター佐藤可士和による幼稚園。
有名なのでググればいろいろと出てくる。いくつか気になるポイントはあるにはあるが、未見なので細部までは分からない。とにかく非常にダイナミックなコンセプトだし、こどもにしてみれば素直に楽しい幼稚園なのでは、と思う。
ここに大量の写真有り。
「建築巡礼x同行二人」(javaをonにする必要があります)
「
ゆうゆうのもり幼保園」 仙田満+
環境デザイン研究所
あおぞら教育研究所 ゆうゆうのもりページうわー、すごい、このハンモック型遊具!開放感と秘密基地に必須の閉塞感ある雰囲気と両方を兼ね備えている。これは子供は大好きだろう。大人の自分でも遊んでみたいぐらいだ。
「
チルドレンライブラリ」 EPSON
EPSONの学校用データベースソフト。アナログの絵や書道などの作品に特化したところがエプソンらしい。
確かにこどものころ描いた絵や書道の作品など、次第に散逸していくわけで、これはなかなかいい目の付け所かと思う。
運用にはいろいろと考えるべき面もあろうけれど、もっと広げて、音楽会などの演奏や、遠足、運動会などの写真など、小学校時代の全体的なデータベースへと広げることができれば、いろいろ活用できそう。
エコデザイン賞 「
フォレストファーム」 有限会社ナック

子供達と森を観察するフィールドワークショップ。
ほんとうはすぐ近くに大人の手を借りずとも触れられる自然があることが理想なんだろうけれど。1日だけの楽しいイベントではなく、なんらかの継続可能な自然体験とは・・・。
「KIDS' TOILET SPACE 」 TOTO株式会社


保育園などの幼児向けトイレ空間のデザイン。
25年ぶりのモデルチェンジだとか。こういう部分の検討は今までなおざりにされていたようだ。集団生活の場でのトイレが居心地のいい場所になるか、その逆になるか、ファーストコンタクトの場ってやはり大事なはず。
こういう見過ごされ勝ちな部分にきちんとしたデザインの手が入るということは、もっと評価されてもいいのでは、と思う。展示にしても今回の展覧会の中ではもっともしっかりしていたものの一つ。単なる入賞以外に賞を受けていないことが「キッズデザイン賞」のレベルを物語る。今年の10月に発売予定ということで、未だにホームページでも露出されていないのが残念。
「IQLIP」 KOKUYO

ピンチの両端に凹凸を設け、クリックしながら回転するようにしたブロック。
単純なアイデアで、昔からおもちゃのロボットの関節によく用いられた構造。
しかし、カチカチ回してみると、感触のよさにハマる。サンプルを貰ったのだが、考え事をするときについついカチカチ弄ってしまう(笑)。
ブロックとしては変化率に乏しく、多少の欠点もある。あと少し工夫するだけで随分とよくなると思うのだが。自分だったら、ここをこうして、あそこをああしてだな・・・
マタニティデザイン賞 「
ドクターベッタ哺乳びん」 株式会社ズーム・ティー

ミルクが赤ちゃんの耳管に流れ込むのを防ぎ、空気も飲み込みにくい形状とのこと。
これはとても美しい製品だった。ガラスのものは1本1本、下町のガラス職人による手作りだとか。哺乳瓶以外にも食器として応用できそう。
「
スクスク/アニマルファースト」
アシックスキッズクラブ
機能面でもいろいろと考えられているようだが・・・単にキャラクターをつけただけなんて、私は認め・・・ううっ、かわいすぎ。靴好きとしてもたまらんなあ、ほっすいー、これ、見たら絶対買っちゃうな。
キッズデザイン大賞 「安全な子ども環境への取り組み」
株式会社ジャクエツ「ジャクエツ」は主に幼稚園や保育園、公園の設計・施工、保育用品、教具などの製造販売を手がけている会社。不勉強にして知らなかったのだが、90年の歴史を持つ大きな会社である。保育事業を影でささえる裏方のような存在か。
今回、多くの賞を受けているが、出品が多岐にわたり、パネル展示が主だったため、会場では今一つ、どういう会社か分かりにくかった。
こういう会社に光があたり、各企業が持っている、事故情報や安全へのノウハウが共有される切っ掛けになればいいのだけれど。
その他
社会貢献企業賞「
CAMP」
IT企業CSKホールディングスの行うCSRのひとつ
「
CANVAS」
こども向け参加型創造・表現活動を推進するNPO法人
「
社団法人 シャンティ国際ボランティア会」
アジアの貧困地域の図書館活動を支援
コミュニケーションデザイン部門賞「
RiSuPia 」
パナソニックの理数系体感型ミュージアム
「
サントリー・キッズ・ドリームプロジェクト」
サントリーのCSRのひとつ
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