ペーパークラフト:ルビンの壷
夏休み特別企画ということで、図工の時間です。
と言っても、マッド・デザイナーのhoririumが作るのはヘンなものばかり。今回は、世界初(た、たぶんね)の『ペーパークラフト ルビンの壷』です。一応、ペンスタンドにもなる・・・かも。
Rubin's vase(Rubin's goblet、the Rubin face)よい子のみんな、「
ルビンの壷」って知っているかな?ルビンの壷っていうのは、人の横顔が隠されている不思議な壷のこと。
図(figure)と地(ground)の関係が反転する錯視の中では最も有名なものだから、どこかで見たことがあるかもね。発表したデンマークの心理学者、エドガー・ルビン(Edgar Rubin)にちなんでルビンの壷と言われているんだ。
世の中には実際に立体として作られたものや、
自分の顔をルビンの壷として作ってくれるサービスまであるけれど、いかにも大変そうだから、紙で作ってみようというわけです。
データはホームページの
Spiel Worksのページにあります。
■ 簡易バージョン
1.こちらはできるだけ、作る工数を省いてみました。
データをダウンロードしたら、厚さ0.2mmぐらいの厚紙に印刷してください。pdfファイルになっていますので、最適な印刷の仕方はお持ちのプリンターの仕様によって設定してください。
A4で2ページあります。できるだけ大きく設計してあるので、印刷は「フチなし」又は「最大」にしてください。
(透かしのhoririumは印刷されません。)
2.外側の実線を切り抜く前に、山折り線と谷折り線に鉄筆などでスジを付けておいてください。
カットしたら接着する前に折り線を折って馴染ませておきます。

3.1番のパーツから順番に横に貼り合わせていきます。接着剤は「木工用ボンド」をおすすめします。木工用ボンドを貼り合せる両面にできるだけ薄く塗り、乾きかけたところで貼り合せるのがコツです。(シンナーなどの溶剤系のボンドなどを使う場合は換気等に充分注意してください。)
ずれやすいので、貼った部品がしっかり乾いてから次の部品を貼っていきましょう。

もうすでに輪郭に顔のラインが表れてネタバレしてます(汗)
6番のパーツを貼るのが少しだけ面倒です。貼り合せた1番から5番のパーツを上下方向から少し押しつぶすようにしてやると6番を貼る隙間ができます。
4.最後にフタと底を貼って完成。

5.暗いバックの前で見ると・・・こちらはこどもの顔をイメージしてデザインしました。

■ 上級者バージョン
同じくルビンの壷ですが、簡易バージョンとは全く異なる手法で設計してあります。
こちらはかなり器用な人かペーパークラフトに慣れている人でないと難しいかもしれません。カットするだけでも面倒です。私はデザインの微調整のために10個は作りましたが(笑)。
1.簡易バージョンと同様に0.2mmぐらいの厚紙に印刷し、折りスジを付けてからカットします。このとき、薄い色の縦のライン(実線)には折りスジを付ける必要はありません。このラインは部品を貼り合わせていくときの目安にしてください。
1番の底は後から貼り付けます。まずは下側の2番から組み立てていきましょう。各部品の上下を間違えないようにしてください。

いろいろとやってみましたが、各パーツを先に輪にしておいてから積み上げるように貼り合わせていくほうが全体的にズレが少ないようです。(紙厚を想定してかなり入念に微調整してありますが、紙の伸び、微妙な貼り合わせの誤差によりズレが生じる場合があります。)

8番のパーツは裏面が上側に向きます。方向にご注意ください。

6番から12番までが幅が細くて大変です。

ここまでくれば後は楽です。
最後にフタと底を貼り付けて完成!お疲れさま!

こちらは大人の男性の顔をイメージしてデザインしました。さて、どうでしょう、ちゃんと顔に見えるかな?

参考:円錐と展開図の関係
上級者バージョンはすべての部品が円錐の一部(円錐台)から構成されています。
円錐の側面図とその展開図の関係は次のようになります。
左側が円錐の側面図 右側がその展開図
展開図での円錐の頂点にあたる部分の角度θは θ=180a/r となります。
bの幅でカットすれば円錐台となります。
>壷
カッターで切り取るとこからすでに失敗の予感。
各パーツがムカデに見えてきました!