SONYがまた新しい薄型デジカメを出してきた。 Cyber-shot DSC-T5
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/compact/2005/08/01/2031.htmlここんとこ薄型デジカメが全盛だが、ちょっと「フタ」が気になっているのである。
そもそもSONYの前機種「DSC-T7」の蓋に違和感を感じていた。
SONY DSC-T7

四角いタグみたいなのが取って付けたように表面に乗っかっている。薄く見せようとして苦労しているのは分かるのだが、薄型のレンズシャッターではだめなのだろうか?引っ張って剥がしたくなるぞ。
閉まっている状態でぱっと見るとこの蓋は以前のUシリーズのように、横にスライドするようにも見えるが、実際は下側にずれる。
触ってみると節度感は悪くないが、この蓋自体にメカが入っているわけでもないだろう。Uシリーズのように電源スイッチを兼ねるためにそれなりの厚みを持たせているわけだろうが・・・
カバンの中などに裸で入れておくと、勝手にずれてスイッチが入りそうだ。
T5はどうもその部分をかなり意識してデザインを調整してきたようだ。
開いた状態では全体的に本体との一体感を増し、よりスマートなイメージがある。しかしながら、この蓋自体がスイッチの機能しかないのであれば、やたらと大きすぎはしないか?
さらに閉じたときに全体の高さのほぼ半分の位置に段差ができ、いかにも野暮ったい。
閉じた状態のイメージも重要だと思う。
SONY DSC-T5

例えば、FUJIFILMの「FinePix Z1」も最近の薄型志向である。「モノコックフォルムのスタイリッシュデザイン」などと横文字を並べているが、閉じた状態の第一印象は「昔の雨戸」。
設計的にはやりたいことも分かる。開いた状態はそれなりに美しい。
しかし、閉じた状態の処理がどうもねえ・・・。何か部品がはずれて取れてしまっているのか?と思えてしまう。あまりに間が抜けているのでメディアでも閉じた状態の写真がほとんどない。
しかもこの蓋が開きにくいことこの上ない。フラットなイメージを重視するあまり、「手掛かり」が全く無いのだ。「FINPIX」のぎざぎざのロゴが唯一、指先が引っ掛かると言えば引っ掛かる。しかし、ここを利用していてはロゴに手垢が溜まるだけだろう。
デザイナーの独善性(笑)が前に出ている品物は決して嫌いではないのだが、ここまで使い難いとちょっと・・・。
FUJIFILM FinePix Z1

で、気になったのが、OLYMPASの「μ-mini DEGITAL S」である。
以前からあるシリーズでカメラ全体の形は好き嫌いもあろう。
(個人的にはこの「笹かまぼこ」のような形状は?であるが)
しかし、驚くのがその蓋なんである。
完璧にボディと同じ高さのフラットサーフェースなのである。一見しただけではどうやって蓋が開くのか分からない。
電源を入れてみると・・・なんと!蓋が筐体の厚み分だけ少し沈み込んでから横にスライドして消えたのである!そしてそこからレンズが。
これには参りました。
これはまさにデザイナーと設計者のコ・オペレーションが無ければ実現しない機構である。(しかも「生活防水」なんだから恐れ入る)
OLYMPUS μ-mini DIGITAL S

もちろん、デジカメ選びの肝としては「画質」やバッテリーの持ちなどが上げられるわけで、「フタ」を云々するのはいかにも斜に構えた評価なんでしょうけど。
ついでに勝手な感想を述べると、SONYはどこもがやっている薄型路線ではなく、DSC-Uシリーズの路線を追求してほしかった。
初めてこのシリーズを見たとき、あまりの小ささにショックを受けたものだ。
SONY DSC-U20

4,5年前にU20を購入したのだが、短焦点だし、手ぶれ補正などももちろんないのだが、非常に使いやすく、性能も悪くなく、今でも普段必ず持ち歩いている。なんとも可愛いのだ。
わずかに200万画素ではあるが、メモとして気を使わずパチパチ撮れる割に画質もいい。難は液晶画面が小さすぎることか。
とにかく手に持った感じがしっくりして、薄型カメラよりずっと使いやすいと思う。
このシリーズではU20が後続機種よりもデザインが落ち着いていていい。(U10はあまりにプラスチッキー)もちろん、蓋の節度、一体感も秀逸。モノを所有し、使う喜びを感じる一品である。
このシリーズは何故か途中で打ち切られたが、今でも中古価格が目に見えて下がらないところをみると人気があるのだろう。
画素数を上げたり、液晶を大きくするとか、ズームを付けるとか、動画をもう少しマシにするとか、改良点がいくらでもあるのに、残念なことである。
SONYさん、お願いだからこの路線を復活して!
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