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○△□と○○○(問題編)

○△□と○○○(問題編)

「○△□」

立体を平面上に表す方法のひとつに「投影法」というのがあります。
文字通り「影」を平面に投げかけるように描写する方法で、特にちょうど真上、真正面、真横の方向から平行光線で影を落とす方法を「正投影」といいます。

例を見てみましょう。

「プリン」があるとします。上から光を当てると下側(平面図)にできる影は「丸」になります。前(正面図)と横(側面図)にできる影はそれぞれ「台形」になりますね。

070918a.jpg



では次の図のように下側には「丸」、前には「四角」、横には「三角」の影ができる立体ってどんな形でしょうか?

070918b.jpg


これはまあ昔からデザインの問題としてはよくあるネタです。これをいわゆる見取り図(等測投影図など)で描きなさい、という問題。厳密には稜線の形などでいろいろとできてしまうのですが、基本的な形が合っていれば良しとします。

紙と鉛筆で考えてみてください。デザイナーの空間認識の問題としては簡単すぎますね。



「○○○」

お次はも少し難易度の高い問題。

同じく正投影図でボール(球)を映してみます。当然ながら下にも前にも横にも「丸い」影ができますね。

070918c.jpg



では同じくどの面にも丸い影ができるのに「球」ではない形ってどんな形でしょうか?

070918d.jpg


え?「球」以外にそんなのないって?

では、ヒント。

次の図のように立方体を「糸ノコ」で、その「辺」一杯の直径で丸く切り抜きます①。

すると当然ながら「円柱」ができますね②。これは誰でも分かります。

さて、ここからです。一旦切り抜いた②の円柱に切り屑をもう一度貼り付けて(仮止め程度ですよ)立方体に戻したとします。それを同じように前方向からも横方向からも丸く切り抜いたとしたら・・・

070918e.jpg


中身を取り出して同じ要領で光を当てれば、どの面にできる影も「丸」のはずですね。でも、これって「球」なのでしょうか?

中からどんな形が現れるか、頭の中だけでイメージできますか?

2方向で切り抜いた形なら絵を描ける人はいるかもしれません。でも、3方向となると・・・さて。この見取り図が描けるという人は相当に空間認識力があると言えるでしょう。


解答は次回、ちょっとユニークな方法で。





MEMO:

2次元の作図手法(三角法など)は立体の物(ブツ)を2次元で規定するという無理難題に応えるために先達が考案した極めてすぐれた思考の道具だと言える。図面で表記される形状は「シニフィアン(記号表現)」である。上の例で言えば、プリンそれ自体には(カットしなければ)台形の形状などないのだから。

これに対し、最近主流になりつつある3DのCADで表現される画像は「シニフィアン」を飛び越えて「シニフィエ(記号内容)」そのものであると言えるだろう。これはある意味、2次元と3次元をつなぐインターフェースとしての「思考」の道具ですらない。むしろダイレクトにイメージを加工する道具なのだ。
とりわけ3Dのグラフィックなどの場合であれば、イメージそのものが最終商品で、フィギュアなど立体としての物(ブツ)が派生商品ということになるほどだ。


道具はある意味、逆にその作業内容を規制する。それゆえ便利な三面図も、自由曲面を規定することにおいては大きな弱点があった。

VR空間で作図される3D-CADの方がこの点でははるかに優れている。今後、特殊なグローブでイメージの立体を触覚的にも確認できるようにさえなることだろう。もはや、作図ではなく、彫刻刀やヘラを使って「彫塑」をやっているようなものだ。3Dにもどこかに死角はあるのだろうか・・・。


物(ブツ):設計やデザインの世界では、イメージではなく、実際に手に取って触れるモノそのもの=「実体」を称して「ブツ」ということがある。






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