デジカメのフタ5
久々のデジカメのフタウォッチ。
まずは、フジフィルムの
「FinePix Z100fd」。
Z1以来、フラットなフタにこだわってきたFinePix シリーズの昨年秋の製品。

やはり全く指掛かりが無くてはフタが開けにくいと悟ったか(笑)、今回の製品にはわずかに引っ掛かりが設けられている。
しかし、今回は開く方向に変化球を投げてきた。
指掛かりは真横に引くようにしかできていないのだが、フタは斜め下に開いていく。んー、ベクトル合成の問題のようだ。
FinePixは最初のころは「雨戸」方式のフタを採用していたのだが、どうもソニーのやり方を参考にしてこのような方式にしたと見える。さすがに真下に開いては能がないと思ったのだろう。
素直に横に開ければ一番いいのだが、そうするとフラッシュの位置が問題となる。斜め下方向へ動かすのはある意味合理的な選択であるには違いない。
明るい所だと分かりにくいが、フタを開くと「Z」のロゴが透過光で光る。また、ロゴの位置には気を遣っているのが見て取れる。
次はソニーの
Cyber-shotシリーズ。
まずは、Cyber-shot DSC-T200(07年9月発売)。

前ブタが真下方向に下がるのはソニーのCyber-shotの薄型タイプの特徴だ。
この機種はわずかに指掛かりが設けられている(矢印部)。
小さすぎて心許ないし、フタと同一の傾斜で回り込んでいるので、指掛かりとしての意味はないのかもしれない。
この部分は固定されているので、フタを下げるにはフタ上部の縁を触るしかない。中高年になって指の湿り気が少なくって来た人には全く開けにくいフタだ(笑)。
DSC-T70(07年9月発売)

T20と同系デザインだが、フタの厚みはさらに薄くなり、指掛かりもない。
本当にもう、ここぞというときにフタが開けられない。片手で掴むと絶対落とす(笑)。
DSC-T300(08年3月発売)
これがまた不思議なフタを採用している。一見するとDSC-T200と見間違えそうなのだが・・・。

この機種はフタが二重構造になっていて、上部の中ブタ(矢印部)が前ブタの中に滑り混むのだ。
この機種では、指掛かりは明らかに指掛かりとしての機能を狙っていて、前ブタに設けられている。
なので、フタを開けるときにはここの上部に指を掛けるのが正解のようだ。なぜなら従来品のように前ブタの上部に指を掛けると、中ブタが引き込まれる際に、指も巻き込んで抵抗となるからだ。
とにかくこれも開けにくい。
DSC-T2(07年11月発売)

これはもう、フラットスタイルの終着点だ。
フタを閉じた状態では表面は同一平面のフラットサーフェイスとなり、フタ?さて、なんのことでしょう?と言わんばかりだ(笑)。
どうやって開けろと・・・実は上部のわずかなフチを押すと真ん中の切れ目の部分が少しだけ浮き、矢印で示したように下側に乗り上げて開くのだ。
なんなんだろう、この一連の薄型フラットスタイルに対するソニーのこだわりは?
多少の使い勝手など犠牲にしても、フラットサーフェイスを優先するスタイリングに執念すら感じる。
これらを「デザイン」と呼べるのだろうか・・・。「スタイリング」としか言いようがないように思える。ああ、そう言えば「ソニースタイル」ってのがソニーの惹句だったけど・・・。
パラダイムに陥るとこうなってしまうのがデザインの常ですな。
カメラからキャップを廃して"レンズバリア"という発想を
持ち込んだ傑作フィルムカメラ
オリンパスXAに初めて触れた時の感動をいまだに忘れませんわ。
いまのデジカメはホントにデザインでなくスタイリング…ってカンジですねぇ。
サイバーショットも初代からの回転レンズの系譜が
途絶えてしまったのは寂しいっス。