今回はいきなりプレゼン方法に疑問を感じた。

写真のように長い展示テーブルがあるのだが、テーブルの間は説明要員の営業さん専用レーンとなっていて入ることができない。
一方向だけからしかアクセスできないので、客の列が停滞し非常に見にくかった。前回のように全方向から見られるようにした方が各自が自分のペースで見られると思う。営業さんは楽でいいだろうが、見る側にとっては非常に不便だと思う。(前から感じていたことだが、竹尾という会社は「個人の顧客満足」という部分に関しての意識が低いと思う。以前紙を注文したら、こちらから問い合わせるまで、1週間も忘れられていたことがあった。前金だったのに(笑)。そりゃ、個人レベルじゃ、少額だろうけど、ありえなくね?これは業務のほとんどが個人相手ではなく、会社単位であるということから来ているのだろうと思う。)
今回の展示はテーマがA5サイズの文具セットというフォーマットで決められており、デザイナーが協力店舗とタイアップして、担当の紙質を活かしたデザインをするということになっているようだ。

写真はパール状の光沢を持つ用紙。「鉛筆、ノート、消しゴム、ルーペ」のセットが基本フォーマットで、これ以外に自由形状でネームプレートが付く。
気になったものをいくつか紹介する。
まずはハムのギフトセットをイメージしたデザイン。


中身は形状が全体に薄いためと、肉の印刷(実物をスキャンしたようだ)がリアルなため、「ハム」というユーモアを感じさせる前にグロさが出てしまったように思う。

これはケースにパンチングでラインを構成したもの。すっきりしていて美しい。しかし、こういう細かいパンチングは抜き型が詰まるために現場はたいへんだと推測する。今回は少量生産なのでいいだろうけど。

スコップ形の紙の先端に植物の種が貼り付けられている。このまま植えられるというアイデア。

この紙は金型で熱プレスをすると透明になるということ。ほんとにリアルな巣蜜のようで美しい。

これは紙の表面がフロッキー加工のように膨らみがあるのだが、そこに踏まれたように足跡が付けられている。
足跡というモチーフが素材とぴったりハマッて見事にデザインとなっている。ただ、あまりにもリアルすぎて、特にバラした状態ではほんとに踏まれたか、単なる汚れとして見えてしまう。私も会場が暗いせいもあり、最初はお客さんが触りすぎて汚れているのかと思ったぐらい(笑)。もうわずかばかり痕跡が強めでもよかったかと思う。
今回一押しは「キッチンシンク」になにやら怪しげな赤い液体が流れたようなイメージのこちら。

厚手の銀紙がステンレスのイメージとマッチしていておもしろかった。
ほとんどインフォメーションされていなかったが、これらの文具セットは協賛している各お店で一定の買い物をすると期間中毎日先着25名にプレゼントされるとのこと。私も最後のが欲しくて「IDEE」という雑貨屋さんに行ったのだが(隣の新丸ビルの方で探すのに苦労した)、5,000円の買い物をしなければならず、そんなに欲しいモノがなかったのであきらめた。本屋さんだったらよかったのに。
とにかく展示会としては全体にインフォメーションが不足していると感じた。紙の名前や作品の写真、できればサンプルの切れ端など、パンフレットとして用意しておいてくれてもよさそうなものだ。有料でもいいから。
デザイナーや学生とおぼしき人が大勢見に来ていたが、紙の名前や特性をいちいちメモしている人が多かった。それって展示会としては本末転倒ではないか?混んでいる会場がますます停滞する要因にもなるし。ま、写真を撮らせてくれるのはありがたいのだが。
さて、丸の内の地下をパノラマ化。人が少ない広大な空間が広がっている。

丸ビル、新丸ビルの間にあたる地下。

ここも人がいない。「行幸地下ギャラリー」というのが左右に設けられていて、アートのイベントなど催していたが見る人の影もない。

なぜ、何年もこの一等地をあそばせておくのだろう・・・災害時の避難経路か何かなのか?去年も書いたような気がするが、SF的な光景はきらいではないのだが、人のいない都心に何やら不安を覚えるのだ。
僕も授業の関連で専門的な紙を欲しいと思い、竹尾に注文しようとしたらひどく高い送料がかかるといわれて断念したことがあります。あくまでも取引相手は業者同士で、個人への販売意識が低いとがっかりしています。もっと関西に大きな紙屋がたくさんあればなぁ、、orz