古いパソコンのことである。
6年以上前の機種なのでPCの世界では相当なものだ。
Pen4の1.7G、メモリMAXで512MB。液タブ付きのVAIO。
以前、液タブの修理でsonyの対応がどーの、と書いたあれ。

Mac使いの友人がなんと動画も見られない環境だというのであげることにした。イラストレーターなので液タブも使ってもらえれば本望だろう。
そもそもこの機種、昨年までメインで使っていたPen3の1G、メモリ512MBマシンの後継として購入したもの。ところがなぜか使いたいCADが激重になって動かなかった。グラフィックボードもほとんど同じものを積んでいるにもかかわらず。画面をドラッグしてもコマ落ちみたいになって付いてこないので、作業ができない。
sonyやソフトのメーカーに聞いても理由は分からず・・・こういうときに誰もが納得せざるを得ない言葉、それは「相性」(笑)。
CPUの能力が倍近くなって、さぞやサクサクと、と期待していた身としてはショック。予算が消えたのでそれからまた数年間1Gのマシンを使い続けるはめになってしまった、とほほ。
この液晶タブレット、デフォルトでペインター7がインストールされていたのだが、これもひどかった。描いても、線が出ない。あれっ?と一瞬とまどうと、0.5秒ほども遅れて描画される。これはストレスフル。絵など描く気など失せようというもの。取説の間から小さな紙切れが出てきて、「描画が行われるまでに、少し遅れが生じる場合があります。」という記述を見つけたのはつい先日のこと(笑)。あのねえ、それって購入前にもっとはっきりカタログなどでも謳うべきではないの?やれやれ。
ま、そんなこんなで、クリエイティブな用途には全く使っていなかったのだ。逆に、自分で作ったデータを扱わないから、少々パソコンの調子が悪くなっても気にしなくてもよいので、いろいろフリーソフトを試したりするなど「人柱」マシンとして気兼ねなく使えた。おかげでスキルアップには貢献してくれたと思う。
で、人様に渡すからにはリカバリせざるを得ない。Winユーザーが誰でも避けたいあれである。
リカバリCDをかけるとOSのXPも初期のSP1かそれ以前に戻ってしまう。そこからが大変だった。アップデートするためにはネットに接続しなければならない。その為にはまず、ウイルス対策ソフトで足回りを固めなければならない。ノートンのアンチウイルスがプリインストールされているので、まずはウイルスのパターンファイルをアップデート。
で、IEを立ち上げると・・・これは4なのか5なのか、検索バーさえない・・・。アドレス欄に「google」といれると検索が効いたので、googleへ行く。ツールバーをDLしてインストールしようとすると・・・
はいフリーズ(笑)。古いIEと新しいgoogleのツールバーは「相性」が悪いらしい。
一からリカバリをやり直す。今度はツールバーを入れる前にXPのアップデートをある程度済ませる。セキュリティ関係のパッチなどをあて、一段落してからツールバーを入れると問題はなかった。
そこからSP2→SP3とアップデートですよ。もー、1日仕事。
OSが済んだら、ユーティリティ関係など。解凍ソフトさえ入っていないからね。PDFを開くのに、デフォではAcrobatReaderの5が入っている。これもかなり遅いのでFoxit Readerを入れる。あと定番で使ってきたスパイウェア用のソフト、SpybotーSDや、仮想ディスクの作成ソフトなどなど・・・。
このあと、仮想ディスクソフトとSpybotーSDがバッティングすることが分かり、また、SpybotーSDをはずしたりとなんやかんやで丸二日の作業になってしまった。ま、これでも個人データの移行がないだけ随分とマシなのだ。
さてさて、ところが苦労した甲斐があって、めちゃくちゃ調子がよくなったのだ。ネットの動画もサクサク見られるし、DVDも見られるし、最近のお絵かきソフトなどはプログラムが改良されているのか、ちゃんとペンに追従してくる。
日常使いにほとんど問題ないくらいいい感じに仕上がったので、娘を嫁にやる気分になった次第(笑)。情報によればXPのSP3も安定化や高速化の面で向上しているという。
この古い機種の最大の弱点はUSBが1.1だということ。リカバリ前に個人のデータを1.6G分、USBメモリで引き出そうとしたら2時間もかかってしまった。USB1.1は2.0やiリンク(IEEE1394)に比べると転送速度がわずか1/30ぐらいしかないのだ。幸いiリンクが付いているので、DVDを焼いたり、外付けHDDを使う際にはiリンクの付いているものを探してもらうしかない。
さて、つくづくと思ったのは、毎年、春と秋に最新のCPUを積んだ新機種が発売されるわけだが、通常のビジネス用途や家庭でネットに繋ぐというような使い方としては、必要なCPUの能力等は既に何年も前に十分なレベルに達していたんだ、ということ。結局最大のボトルネックになっていたのは通信回線だったわけで、こうしてどこでも光回線が普及してしまえば、マシンスペックなどこれ以上必要ないことに気づく。今、いわゆるネットブックが流行する背景にはこういう事情もあるのだろう。さほど強力でもないマシンでも、とにかくある程度の速度でネットにつながりさえすれば十分実用になるわけだ。
それを「Vistaをストレス無く使う為には、Core2DUOの2.0G以上が必要」とか言うから、さすがに消費者も気がついてVistaをボイコットする事態となる。
OSで仕事するわけではないんだから、わざわざ重たいOSに高い金を払って、高い能力のパソコンを使うなど、夏にガンガン冷房入れて厚着しているようなものだ。
非常に安定していると言われていたWin2000でさえ、使っていたときには半年ごとに調子が悪くなってた。XPは、メモリが物理的に壊れておかしくなったとき以外は、システム要因ではまだトラブったことがない。個人的にはとても信頼している。
現在、もっともマシンパワーを必要とする分野の一つは3Dのゲームだろう。ネットゲームとかやったことはないのだが、描画の質がどんどん良くなっていくようで、この分野だけは強力なCPUやグラボにいかに金を掛けるかという、いわば好事家の世界となっている感もある。
だから高度な映像編集や3Dなど特殊なことをやらなければ、XP機なら多少古いスペックのパソコンでもまだまだ使い勝手があると思う。
取分け、メモリを増やしたり、HDDを5400回転から7200回転に交換してやれば体感的にも処理能力は向上する。また、PCカードスロットルがある機種なら「USB2.0 インターフェイスPCカード」を使って、転送速度をUPすることも可能だ。
さーて、嫁にいったマシンも活躍しますよーに。
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