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「こどものデザイン」トークセッション

 
銀座で青木画廊に寄った後、新宿OZONEでデザイントークセッションに参加しました。

テーマは「こどものデザイン」。

パスキーデザインさんがコーディネイターで、コンビ(株)、(株)ベネッセコーポレーションとのパネルディスカッション形式です。

こどものデザインというテーマに対し、真摯に取り組もうとすればするほど、デザインに何ができるか、よりよいデザインとは、と、どんどん話は深くなり、2時間という時間はあっという間に過ぎました。

デザイナー、メーカー、出版社というそれぞれの立場からこどもを対象とした物作りへの意見が出され、現場の葛藤が浮き彫りになり、興味深かったです。
 
例えば、色ひとつをとっても、デザイナーの考える色と、出版社のキャラクターが有する色、あるいは調査でデータとして出る受けのいい色など、それぞれの立場や捉え方により候補となる色が異なったりします。
「売り上げ」というデータに反映される様々な選択肢のどれが説得力を持つのか、それは常に判断に困る課題となります。

ベネッセコーポレーションの場合、小学生から高校生まで毎月教材を出版し、その付録としてデジタル教材が付くようなのですが、色一つにしても去年と今年で被らないかなど気を遣うとのこと。同じようなものが付録となったときには、兄弟のいる家庭からクレームがあるとかないとか。

それで思い出したのが小学生のころ「学研の科学」を取っていたこと。年子の弟がいたので必然的に2年続けて同じような付録が来ることになりました。学研にしても「学習指導要領」のしばりがあるわけですから教科の流れに沿う必要があり、大きく逸脱した教材を付けるわけにもいかなかった筈です。
それでも私にはいつも1年経ったあとの弟の付録の方がデザインが進化しているように感じました。兄弟二人の私などわずかに2年のことですが、出版社側の立場からすれば、それが延々と続くわけです。

毎年毎年、何か進化させていかなければそれこそ苦情も受けかねないでしょう。これは考えてみればかなり大変なことですね。

その他、プランニングシーズさんから、お母さんたちが「手作り」の実践を大切にしているように感じるとのお話があり、個人的に腑に落ちるところがありました。

様々な調査によるデータ、アイデア展開、制度やコストによるしばりなどが物を作るうえで俎上に上がり、揉まれるわけですが、いかにそれらが血の通ったものになるかは、関わる方々の熱意によるのだな、とあらためて感じ入りました。

とても2時間やそこらで、みなさんが語り尽くせるテーマであるわけでもなく、これからもまた、このような機会があればいいな、と思いました。



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