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もの狂いの作家二人

所用で出かけるついでにネットで調べておいた二人の画家の展覧会に立ち寄る。

一人目、会田誠

『巨大フジ隊員VSキングギドラ』や、日本画調で太平洋戦争をモチーフに描いた『戦争画RETURNS』など、高い技術を持ちながら、キッチュでショッキングな表現を持ち味とする現代芸術家。ファンの多い作家なので今更説明の必要もないだろう。

氏の展覧会、「ワイはミヅマの岩鬼じゃーい!!」がMizuma Art Galleryにて10/4まで開催されている。

Mizuma Art Galleryは中目黒の古びたビルの中にあり、前回エントリした青木画廊同様、いかにもギャラリーらしい雰囲気。

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会場には会田の得意とするところの画題の「人犬」の新作(?)が2点と他小品などを見ることが出来た。

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非常に力の抜けた軽い描画で、要望されるテーマで描かねばならないことへの反骨精神とも受け取れるのだが、個人的にはやや拍子抜けだった。
 会田がこのテーマで描いた絵を見たときよりも、永井豪が「バイオレンスジャック」でこれをやったときの方がはるかにショッキングだったからな。なんせ、少年誌でこんなものを描いたんだから、ある意味ほんとの○○○○だ。時代がどーかしてたとしかいいようがない。


同ギャラリーの5Fでは会田が講師を務める武蔵美の生徒による「ゴシック教会風段ボールレリーフ」が一部屋を占拠しており、個人的にはこちらが楽しかった。

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二人目、松井冬子

NHKで制作過程がドキュメントされた 松井冬子の大作「ややかるい圧痕は交錯して網状に走る」他が九段下の成山画廊の常設展で10/1まで展示されている。

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氏を知って間もないが、早くも実物を見られるチャンスがあって嬉しかった。
情報では買い手が決まったため、今後観覧する機会が少なくなるやも、ということだ。

「ややかるい圧痕は交錯して網状に走る」は、白木の額装と相まって、ある種の葬送の儀式のようであった。

至近で見ると、思ったよりも粗い絹本に描画しているにもかかわらず、線は細密。まさに髪の毛一本一本に至るまで、神経が張りつめていて、命を削るような仕事であることが伺えた。
10月末より氏の本格的な展覧会が静岡県の平野美術館であるのだが、観に行きたくなってしまった。

(成山画廊の庵主は不機嫌な「葉加瀬太郎」といった趣の巨漢で、ギャラリーの1/5を占めていた(笑))

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