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デジタルネイティヴ

NHKで放送された「デジタルネイティヴ」を見た。(12日深夜に再放送あり)

生まれたときから身の回りにパソコンがあり、インターネットをテレビを見るように日常的に使ってきた世代のことである。
その中でアメリカの15才の少年がカードゲームを作り、ネットで探したデザイナーたちを使って商品化し、会社を起こしてビジネスを行うというトピックがあった。デザイナーは依頼主が15才だったことを全く知らなかったという。
番組中に出てきた日本人のデジタルネイティヴの子を持つ親は、こどもの言っていることが全く分からないという。確かに『電脳コイル』なんかを見ると、これ、何を描いたアニメなのか全く分からないという親も多いだろうな、と思ったものだ。

が、しかしですね、番組の作り方は非常に恣意的で、いかにも、理解できない新しい世代が育っているかのごとく大人達に向けて恐怖感というか劣等感を感じさせたいわけですわ。世代間の較差をあおる手法は、もう、昔から十年一日のごとくで、昔も「新人類」なんて言葉が流行ったものだ。

前出の少年は、化学の分子モデルを応用したゲームを構築するのに1年以上自分で勉強している。つまり「賢い」んですよ、基本的に。誤解無きように付け加えると、勉強する目的とおもしろさを自分で見いだし、勉強を継続し、行動する強い意志があるわけ。こういうウィルネスを持った人間はいつの時代も存在するわけで、彼らはその時代で使えるものは何でも使って自分の意志を完遂しようとする。それがたまたまネットだっただけで、デジタルネイティヴが皆こうだと言うわけがない。

これに関連して、驚いたのは、

「小・中学生の約2割が自分専用のパソコンを所有」という記事。

自分専用のパソコンを持っている子供は小学校で2割、中学校で2.5割とのこと。マジ?たったこれだけ?デジタルネイティヴなんてどこの話なんだよ?これが日本の現状だとしたらお寒い限り。

俺はもうジジイだけど、よく生きているうちにパソコンに出会えたと思う。もはやパソコンがなくては生きていけないし、例え車やテレビがなくても、パソコンさえあればいい。はっきり言って今まで人類が発明したものの中で最強の部類。

こんなすばらしい道具を子供の頃から使わないでどーする?もちろん、保護者がフィルタリングソフト入れたり、危険性についてきちんと指導したうえでだが・・・ああ、なるほど、親が教えられないんだな。
つまり、理解できないデジタルネイティヴが育っているという視点よりも、いかにこの道具をどの世代もきちんと使いこなすべきか、という視点の方が大切なはずだなのだ。(あと、番組ではなぜか触れていないけれど、ネットにおける英語=標準語の障壁の方が大問題だと思った。今のままでは日本語のネット環境はガラパゴス化しないか?)

自分がネットというもの可能性に衝撃を受けたのは、ある古書を手に入れた課程であった。
「ピナコテーカ・トレヴィル」という10巻の画集で、発売された当初は自分には高くて手が出せなかった。そうこうするうちに発行元が倒産し、幻の画集となってしまった。

ところがまだ光回線など普及していない、ネットの黎明期に、古書店の集まったサイトを発見し、試しに検索してみると、あちこちの古書店にそれらをバラバラで発見したのだ。ほとんどが格安で、家にいながらにして日本全国の古書店から一挙に9巻が手元に集まった。これは驚きの体験だった。こんな稀少な本は神田の古本屋街を歩き回ったところで入手できなかっただろう。ネットなればこそ可能だったのだ。

最後の10巻目は出版社の倒産と相前後していて実際に出版されたのかどうかさえ、検索しても分からなかった。ところが、ところが。これまた、ヤフーオークションをはじめてやってみたときに、検索したら奇跡のようにこの10巻目が出品されていたのだ。そんなわけで、記念すべき初ヤフオクでこの貴重なシリーズをコンプリートすることができた。

これは自分にとってネットの凄さを知る実体験となった。不可能か、あるいはものすごく労力のかかることが一瞬で可能になることがある、ということ。そして、慣れれば、それが当たり前になる。

「デジタルネイティヴ」という視点では、自分とは違う理解できないもの、ということで、パソコンを利用しないことの言い訳となってしまう。恐れるべきはデジタルネイティヴではなく、この便利な道具を使おうとしない自分の意識の硬直である。そこに生まれる自ら招いた「デジタルデバイド」の方こそを恐れるべきだろう。

こんな便利なもの、むしろ高齢者の方が積極的に使うべきではないだろーか。政府も思いつきのつまらん「定額給付金」なんてやってないで、パソコンを一人に一台行き渡るようにした方がよほどの経済対策になると思うが。

富士通から高齢者や初心者向けのノートパソコン

自分はプログラムもできないし、せいぜいブログを書くぐらいの普通の人間だ。それでも、テクノロジーの進歩の遅さにイライラする。なぜ、OSもブラウザもこんなに立ち上がりが遅い?いつになったら普通の乾電池で動いて、一瞬で起動するパソコンができるのだろう?ネットのニュースサイトの更新はなぜリアルタイムじゃないんだろう。どーして翻訳ソフトはもうちょっとマシにならないんだ。

脳みそに直接つないでくれ、とまでは言わない(笑)。せめて電脳コイルのようにゴーグルでどこでも四六時中繋がっているぐらいはできてもいい。入力も視線入力でお願いしますわ。頼むから、もっと未来へ連れていってくれ!!

最初に挙げたNHKのサイトでは自分がデジタルネイティヴかどうか判定するコーナーがある。やってみたが、こんなの全然意味がない。それより、「電脳コイル」を見ろ。おもしろさが分からなければその人は「デジタルエイプ」決定。(「デジタル猿人」という造語を作ってみた(笑))

もちろん、ブログ読んでいる方々には逆にパソコンを使わないことの方が理解できない話だろうから、それぐらいNHKの番組は的はずれ、ってことです。


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