舘神さん主催の「手帳オフ会」に参加してきました。
今回はテーマが「自作」だったので、これは参加せねば、と。
いやいやいつも以上にコアな面々の集まりとなり、4時間があっという間。
舘神さん、ご参加の皆様、お疲れ様でした。
興味のない方には「手帳」というテーマで何をそれほど話すことが、とお思いの向きもあるやも知れません。
しかし、結局、手帳というのはライフハックの最も身近な切り口なんですね。
そこから仕事術はもちろんのこと、ITの話し、果ては毎日何をどのように書くのかということは、結局、生き方を見つめる作業であるとも言え・・・
って、もちろん、そんな堅苦しい話しをしているのではなく、というかそこまで深さがあるのに、内容が濃すぎて毎回全然みんなの意見が尽きないのです。
さて、今回のテーマ、「自作」ですが、私のようにシステム手帳のリフィルを自作している人なら掃いて捨てるほどいることでしょう。有名どころでは「
システム手帳職人」なんて強力なリフィル自作ソフトまであります。
今回はシステム手帳ではなく、なんと「綴じ手帳」を自作!している方が3人も来られたのです。
お一人めは女性デザイナーのIさん。
ご自分で使いたいサイズとデザインの手帳がなかったので、なんとQuarkXPres(DTPソフト)で版下を組んで入稿、最低ロットの300冊を発注してしまったという猛者です(笑)
もちろん、製作費用を回収するために頑張って余分を売られたそうですが、やはり、なかなかいきなりでは難しく、ペイするまでには至っておられないということでした。
しかし、自分の欲しい1冊のためにリスクを顧みずにそこまでしてしまうのがなんとも凄いではないですか。
これはグラフィックデザイナーでDTPソフトが使えるというスキルがあってのことでもあります。
私などではとうてい真似できません。
もう一人は自作手帳をビジネスとして成立させられているOさん。
この方はご自分のビジネスハックをコアとして、独自の手帳フォーマットを考案され、販売されています。
手帳というのは販売の旬が短いのでいろいろと工夫をされておられます。実際にデザインから紙の選択、外側の製作までいろいろとご自分で現場を駆け回っておられ、頭が下がるというか、もの凄いバイタリティです。自分の手帳を売るというのはもの凄くリスクが高く難しいことだけに驚異的です。
最後のお一方は建築家のHさん。この方もすごいとしか言いようがない。
ご自分でデザインされた手帳をプリントアウトし、200頁以上の実に特殊で面白い手帳をすべて、裁断から「手縫い」製本までして数冊を作っておられました。
その完成度たるや、自作でここまでやるか!というか、いわゆる個人ルリユール(製本工芸)家の作品の域になっています。
いずれの方もイラレなどデザインのソフトを扱われ、デザイン、物作りに興味があるわけで、デザイナーとしての観点からみても今回は実に興味深いものでした。つうか、この日本でいったいどれだけの人が自分の綴じ手帳を自作しているというのでしょうか(笑)。
その中の3人が一同に会したのは希有なことかもしれません。
自作というとデータの製作・管理からやはり製本まで発注した場合のロット・コスト・販路などの問題まで、ビジネスとして成立されているOさんにしても並大抵ではないようで、やはり個人の前に立ちはだかる壁は大きいようです。
なんとか良い方法がないものかというのは、究極のカスタマイズを臨む手帳愛好家の方々にとってもなかなか重要なテーマであると言えるのではないでしょうか。
他にも、システム手帳カバーを自分でミシン掛けをして自作しておられる方もおられ、それがまたすごいクオリティで・・・手帳の外側の自作となると、主催の舘神さんも予想外の展開のようで、今後の広がりの幅の広さに嬉しい戸惑いを感じておられるようでした。
とにかく今回は自作家のあまりのレベルにみな圧倒されました。私のようなデザインや物作りが好きな人種にとってはこの上もないオフ会でした。まだまだいろいろとお話を伺いたかったのですが、時間が足りませんでした。
今後、まだまだこれから、自作はもちろんのこと、フリーの用紙やメモ帳に何を書くか、手帳との使い分け、そしてデジタルとの使い分けはどうしているのか、デジタルガジェット自慢など、ディープなテーマがいろいろとありそうです。
たかが手帳・・・されど、そこはライフハックの入り口であって、その向こうには、仕事の進め方、個人の自己管理からデザインや物作りの側面、文具好きの趣味の世界まで、とんでもなく広い世界があるということの認識を新たにしました。
オフ会ではお世話になりまして、ありがとうございました。
まさか、morotaroさんとお知り合いとは存じませんでした。
それにしても内容の濃いオフ会でしたね。あのレベルの高さは凄すぎです。
今度は超整理手帳のオフ会にでもご一緒出来たらと思っております。
今後とも宜しくお願い致します。