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システムノートの手法10(1)

「メモ術」について

前回のエントリの「手帳オフ会」のテーマだった「メモ術」について書いてみたい。



メモの内容

「メモ」とは基本的に思いついたり、気がついたりしたときに忘れないように記録しておくものだろう。しかし一口に「メモ」と言ってもその内容によって2種類に分けられると思う。


ひとつは自分の仕事や関心事項に関する「アイデア出し」に相当するものだ。

私の場合は絵や図を描くことが多いので、デスクトップでは、A4サイズの紙を使うことが多い。これは裏紙でもそれこそチラシの裏でも何でもいい。多くはA4のコピー用紙を使うが、これはおそらく面積当たりの単価では今、最も安く入手できる紙ではないだろうか。「安さ」が自慢の「100円ノート術」よりはるかに安いと思う(笑)。

もちろん、デスクワーク以外の場面では、浮かんだアイデアを手持ちのメモ帳やその場で手に入る紙切れに書くという場合もある。

これらに共通することは、後から利用するために、取りあえず「保存しておく必要のあるメモ」であるということだ。
A4なら2穴パンチで穴を開けてファイルに綴じればいい。メモ帳などの不定形サイズのものはA4ノートの白紙に糊付けしてスクラップすればよい。これに関しては次回に詳述する。


もう一つのメモの種類は、「保存する必要のない一過性のもの」で、いわゆる「備忘録」と称する類のものだ。
一般的な「買い物リスト」や「TO-DOリスト」などが典型的な例だろう。買い物リストなどは、いつまでも覚えておく必要のない、いわば重要度の低い情報だが、だからこそ余計になかなか記憶にとどめにくいものなのだ。


例えば仕事をしていて、ホッチキスの針が残り少ないとか、水性ボールペンのリフィルが切れかけているとか、ガムテープがないとか気がつくことがある。これは主婦の方には大いに経験のあることだと思うが、このように食品や生活用品で足りなくなったものは、気がついたそのときに、その都度メモに加えていかないと、いざスーパーなどの店先で全部思い出そうとしても難しいはずだ。
私の住んでいるところはやや不便なので、先の日用品や薬の類など、不足分がある程度まとまってから車でホームセンターやドラッグストアに赴くのだが、メモがないと買い忘れが出ることがしょっちゅうだ。まあ、買い出しのチャンスは1回だけではないわけだから重要度は高くないとはいえ、その時、「現場での必要度が高い」情報だと言えるだろう。


このように「リスト」というものはある一時点で必要なものを全部思い出そうとしてもなかなか思い出せないものなのだ。(この経験から私はGTDの「しなければならないことを時間をかけて全部書き出す」というやり方に疑問を持っている。もちろん、それらはストレスを軽減するための心理療法としては効果があるだろうが、効率的な「仕事術」なのか?と思う。)


必要なもの、やらなければならないことなどは、気がついたときにその都度メモに取るのがよい。そのために重要なことは、必死に思い出すことではなく、気がついたときにメモが取れるように「いつでもメモ用紙とペンにアクセスできる」ことだ。


私の場合、家にいるときにはキッチンのカウンターに1冊のメモ帳とペンのセットを置いてある。そこは距離的に家のほぼ中心で、まあ、「狭いながらも」な我が家であるから、1ヶ所にあれば十分なのである。いや、むしろ、野口氏の「ポケット一つの原則」に鑑みて、家庭用のメモ帳は1ヶ所に限定する方がよいだろう。(アイデアを煮詰めていて眠れなくなることはあるので、枕元にメモを置くというのは有りだと思うが、風呂場やトイレにまで持ち込むのはどーなの?)

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大事なことは「定物定位」の原則で、そのメモセットを他の場所に移動させないことである。でないと必ず書こうとしたときに紙やペンを探し回るような事態に陥ることになる。フックか何かにひもで括り付けて移動できないようにしておくのも手だ。(この方法は仕事の場面でも有効で、机のどこかに紐でメモセットを括り付けておくと必要なときに探し回らずに済む。)


例えば生活用品で足りないものなどはある程度、分量がまとまるまで、気がつく度に、決まったページに追記していく。いよいよストアに購入しに行くという段になれば、そのページをちぎって持って行けばいい。
このように情報の利用を考えると「切り取りやすい」ということも重要なので、このメモは普通の綴じノートではない方がいい。そして一過性のメモは役目が終わったら捨て去ることが必要だ。いつも持ち歩いている綴じ手帳などに書かれたこの手のメモは用件が済み次第、線を引くなりして消去しておく必要がある。


話は逸れるが、家庭用のメモ欄として、「ホワイトボード」を使っている人も多いだろう。

ホワイトボードの場合、まず家族の目に付きやすいという点がよい。「見える化」されることにより常に皆の意識に残るということもあろう。
ただし、買い物リストなどの場合は、デジカメや携帯で撮って情報を持ち出す必要がある。また、例えば食品や薬や文具などというようにジャンルごとにページを変えたりすることができないという点もホワイトボードの弱点かもしれない。なのであまり小さなものはお勧めできない。

我が家で採用しているものは、大きな「プレゼン用のスチールボード」である。ROCADAというメーカーのもので伊東屋で見て衝動買いしてしまった。

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A1の紙を上部で挟めるようになっているが、スチール製なのでもっぱらカレンダーやメモを取り付けるマグネットボードとして使用している。はっきり言って邪魔なのでお勧めはしない(笑)。
一般家庭ではもっぱら「冷蔵庫」が請け負っている役目を拡大したものだと言えるだろう。実際、大きなホワイトボードを壁に掛けて、メモ用紙のマグネットボードとして使用すれば、先の情報の持ち出しなどの問題は解決する。こういうボードはたいてい下部にペン置きなどもあるので筆記具の紛失なども軽減されるだろう。

例えばこのホワイトボードは盤面が900x1200mmで価格は2万円弱である。職場ではなく家庭にこういうフリースペースがあると存外に楽しいものなのだ。

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さて、家では一組の「定物定位」されたメモセットが有効だが、出先ではそうはいかない。そこで必ずポケットにメモ帳とペン類をセットで持ち歩こう。「手帳」の携帯性について云々されることは多いが、実際問題、「携帯性」という要素が一番重要なのは「メモ帳」だと思う。次回、メモ帳の条件などについて書きたい。





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