「メモ帳」の条件
以前から書いている通り、私の場合、いわゆる「手帳」に相当するものは、「A4サイズノート」が基本となっている。
A4という大きさは、デスクワークが中心の人間にとっては、十分に記入のフィールドが広くて応用が利き、またほとんどの場合、ビジネスでも基本のサイズとなっているからだ。
もちろん、人それぞれ、仕事によっても最適な手帳のサイズは違うだろう。特に、立ったまま記入する必要に迫られることの多い「記者」や「営業職」の場合は片手で扱えるサイズが必要になるかと思う。
A4ノートを「母艦」にしていると、さすがに立ったまま扱うのは難しい。そこで過去にも何度かエントリしているが、小型の「メモ帳」だけは別途必要になる。「母艦」に対する「戦闘機」のイメージだろうか。手元にあるものを掻き集めてみると・・・

ここでは、適当に小型のペンと組み合わせてみた。
母艦の方は「A4」という定型のサイズを基準としているが、メモ帳の方にはサイズのこだわりはない。基本的に手になじみ、立ったまま取り扱いやすいものであれば大きさには拘泥しない。メモ帳は商品の移り代わりが比較的激しく、文具店で良いものを見つけても、継続して手に入るとは限らないということもある。買いだめする手も無くはないが、保存していると印刷があせたり(「RHODIA」など店頭に並んでいる状態で既に退色していたりする(笑))、紙が傷んだりすることもある。気に入ったものを見つける度に購入する方が文具を楽しむという点でもよいのではと思う。
私の場合、サイズよりも重要な条件として、
1.常にペンと一緒に持ち歩くこと。
2.ミシン目などがあって後からカットすることができるもの。ということが挙げられる。
順番に見てみよう。
1.筆記具を取り付ける。写真のメモを見ると分かるように「スパイラルリング」で綴じられたものは、そこに小型のペンを嵌め込んだり、ストラップタイプのものを取り付けることができるので、ペンを取り付けるのが一番楽である。ストラップのペンを選ぶコツは、キャップと本体が分離してすぐに書けるようなものを選ぶということだ。
(小型ペンの自作について→
『即メモ』)
ちなみに先端に5mm径ほどの環の付いた「ナイロンストラップ」無印良品で販売されている。¥210。

ペンやミシン目を考えると、実は普通のA6ノートが一番使いにくい。(A6ノートを母艦にすることを提唱する、『情報は1冊のノートにまとめなさい 』という本が売れているが、読んでみたら記述に矛盾も多く、私には全く使えない方法であった。)
もちろん工夫次第で使い勝手を改善することはできる。多少面倒だが。というわけで久々に「工作話」なども織り交ぜつつ・・・
a.コーナー部にパンチで穴を開け、単語帳用の「丸環(カードリング)」を通す。ここにストラップタイプのペンを取り付ける。
b.クリップタイプのペンがはみ出す場合はペンに合わせて表紙を切り欠く。(トンボのPFitなど30mmもはみ出してしまうのだ。)

ここではサンプルとして1冊のノートに上記の加工をまとめてみた。少しの手間でペンを探す手間が改善するのでは。
右下のあらかじめ「ペグシル」の付いているメモ帳にヒントを得たのが次のやり方。
縦長タイプの手帳の表紙の裏に・・・

ペグシルを取り付ける。

方法は簡単で「ストロー」をカットして幅広のテープで貼り付けただけだ。(「フレッシュネスバーガー」のストローがペグシルの直径にぴったりだ(笑)。)いい加減なやり方だが、メモ帳を使い切るぐらいの間は持つだろう。
おっと、ペグシルは使い捨てにしないようにね!(
『ペグシル再生』)
2.切り取る綺麗に切り取れるミシン目がほどこされている場合はいうことがない。実際にはメーカーによって気持ちよく切り取れるものとそうでないものがあるが。
ページにミシン目などがない場合はカットする道具を持ち歩かなければならない。一般にはカッターナイフが手に入りやすいが、最近では銃刀法などもうるさいようなので持ち歩くには注意が必要だ。(
平成21年1月5日銃刀法改正 「刃渡り5.5cm以上の刃物は原則として所持が止」)
こういう場合、使い勝手がよいのは「一枚切りカッター」だ。最近ではいろいろな種類のものが販売されている。手元にあったものは、

右から
●小型のハサミ。1枚切りカッターではないが、1枚だけを切ることができるし、紐なども切れる利点がある。ただしストロークが短いので長いものを切るのはつらい。
●定規の上部に1枚切りカッターが付いたもの。このように薄いものだとメモ帳などに挟んでも邪魔にならない。刃が短辺に設けられているのでちょっと切りにくい。
●自作の1枚切りカッター。(折れてますが)1枚切りカッターは何か適当なプラスチックの板さえあれば、カッターナイフの刃を折って瞬間接着剤で貼り付けるだけで簡単に作れる。刃先をどれくらい出すかは試行錯誤も必要だが、厳密なものでなくても十分に使えるだろう。
●ペンタイプの1枚切りカッター。セラミック製の刃が自由に動き、細かい作業ができる。ペンケースなど持ち歩いている場合はペンタイプも使える。
*1枚切りカッターを作る
1,000円もする特殊鋼を用いた1枚切りカッターもあるが、200円程度のものはさほど耐久性はないだろう。だったらさほど手間でもないので自作する手もある。
1枚切りカッターは刃先が紙に当たりにくいので、真っ直ぐな辺を紙に押しつけるように使うような構造がよいだろう。
目盛りの消えかけたプラスチック定規などがあれば適当にカットして利用しよう。プラスチックをカットすることができる人であれば、不要なCDケースなどでも使える。

小型の定規を5cmほどにカットして角を丸めたもの。
ちなみにプラスチック系の作業をするときにあると便利なのが、「耐水ペーパー」という紙ヤスリだ。

茶色い木工用とは異なり、水をつけて金属やプラスチックを研磨するのに使う。大手の文具店やホームセンターに置いてある。#400、#800、#1200などという番号で表され、番号が大きくなるほど細かくなる。金属工芸などをしている人にはおなじみのもので、粗いものから細かいものへ順番に使って磨いていくことにより製品の表面が滑らかになってくる。プラスチック相手の場合は上記の3種ぐらいあると大概の研磨作業で使える筈だ。
カッターの使っていない部分をペンチなどで折って瞬間接着剤で貼る。このとき刃を出す加減は約0.2mmほどだが、「感」で、としか言いようがない(笑)。あらかじめカッターの刃を少しだけ繰り出してテストすることによってイメージをつかんでおこう。実際は相手の紙の厚みによっても異なるし、製品の1枚切りカッターでも力を入れたときと抜いたときでは切れる枚数は異なってくる。

今回、最初はメモ用紙が2枚強切れてしまった。そこで慎重に先ほどの「耐水ペーパー」で刃先を落とし調整した。最終的にロディアのメモ用紙を、力を入れたときには1.5枚、力を抜いたときには1枚だけ切れるようになった。

手帳やペンケースの中に一つ忍ばせておけば、メモのカットだけでなく雑誌の切り抜きなどの場面で役に立ったりする。
次回、3.貼り付ける
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