3.貼り付ける「システムノートの手法10(1)」で書いたように、備忘録のメモは処分してしまえばよいが、後から見返したいメモは保存しておく必要がある。「2.切り取る」でカットすることにこだわったのはこの為だ。
そのままではバラバラになりやすいので、母艦であるノートに貼り付けておこう。
手近な糊類を集めてみた。

ここでは外出先でも扱い易いものを選んだ。チューブ入りの液体糊などは乾くまで時間もかかるし、メモなどもふやけてしまうので扱いにくい。
右から
「TOMBOW シワなしPiT」
スティックタイプの糊だが紙がシワになりにくいという利点がある。通常のものよりやや硬い感じで、最初にしっかり塗らないと付きにくい。一旦付けば強力に接着する。
「Scotch はってはがせるスティックのり」
若干柔らかめ。塗ってすぐに貼り付けるとしっかり付くが、剥がしたときに台紙側に糊移りする。少し乾かしてから貼れば、糊移りは改善するが、接着力は弱くなる。外出先では乾かしてから貼るのは手間だ。
「KOKUYO ドットライナー(DOTLINER mini)」(上/しっかり貼る 下/貼ってはがせる)
出先などで一番使いやすい糊はこれではないだろうか。剥がせるタイプは「Scotch はってはがせるスティックのり」と同じで時間を置かないと糊移りがある。
「ニチバン 両面テープ ナイスタック」
紙ケースに金属刃が付いているのでハサミなどは必要ない。使ったことはないが、貼ってはがせるタイプもある。ちなみにテープ部分に5mmほどの間隔でスリットが入っている両面テープもあるが、使ってみたらバラバラになってあちこちにくっついたりであまり使い勝手がよくなかった。両面テープは外出先では剥離紙のゴミが出るのが欠点だ。
「TOMBOW AQUAPiT ボールペン型のり」
トンボ鉛筆の新製品。液体糊がボールペン型の本体に入っている。使ってみた感じでは、液体なので乾くまでやや時間がかかること、紙にペンの跡が付くこと、紙がふやけるというような短所があるかと思う。一旦乾けば、きちんと接着する。また、小さな紙片をピンポイントで付けるのにはよいが、当然ながら、ベタで大きなものを貼り付けるのには全く不向きだ。かさばらないのでペンケースにまとめたいという人にはよいかもしれない。
マスキングテープを使う方法もある。

マスキングテープは手書き図面を描いていた人にとっては散々お世話になったアイテムだろう。手でちぎることができ、貼ったり剥がしたりしても紙を傷めにくい。(紙質によっては注意が必要。)最近では色数も増え、模様もドットやらストライプやら様々なものが登場し、なかなか楽しい。
マスキングテープ「mt」ちなみに、製図用の正統品は「ドラフティングテープ」といい、マスキングテープが和紙を使っているのに対し、シワ加工の施された特殊な紙を使っている。どちらも貼ったり剥がしたりできるが、年単位で放っておくと糊が滲んできたり(いわゆる「沸く」という現象)、剥がせなくなったりすることがある。
資料やメモをA4の裏紙に貼った例。大切なことはメモを書く段階でも貼り付ける段階でも、「タイムスタンプ」を打っておくことを忘れないことだ。

最初からメモに「のり」が付いていれば面倒はないんだけど、と当然ながら「ポストイット」系のメモも候補に挙がるだろう。ただ、一般的にアイデアを書き留める目的としてはポストイットなどは大きさ的に不十分なものが多い。また、強粘着タイプでないものはカールしたりしてぽろっと剥がれ落ちることもあるので注意が必要だ。
ある程度の大きさのあるものを集めてみた。

左下はKOKUYOの全面粘着のもの。(50x74mm)
ポストイットの類は枚数を減らして手帳などに挟んで使うという方法が一般的だろう。専用のケースを検討しようとしても選択肢は多くないと思う。ペンを取り付けるのも難しいし、構造上、基本的に1枚ずつ剥がしながら記入するという使用法に限定されてくると思う。
小型のものをメモとして使ってみた経験では、記入する枚数が増えると、剥がさないと書きにくいし、剥がしたら剥がしたで、それらを貼り付ける場所が欲しくなる。結局、一旦剥がしたものをまた付箋紙にくっつけ直したりすることになる(笑)。
つまり、メモとして使う場合は、単独で持ち歩くより、手帳やノートなどの母艦と一緒にセットして使うというのが良さそうだ。
このようにして、母艦にはメモのみならず、資料でも映画の半券でも、出先で手に入れた絵はがきでも何でも気になるものを思いつくままに貼っていこう。
溜まっていく資料は単なるメモの集積を越えて、日々のアイデアストックであり、あるいは日記代わりであったり、思い出の一片であったりする。大仰に言えば、それは
「自分の視点のスクラップブッキング」であり、
「人生のログ取り」であるとも言えるだろう。
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