読書:アタマが良くなる「合格ノート術」 基本から問題演習、コーネル大学式ノートまで
田村仁人著

「コーネル大学式ノート」に釣られて読んでみた。
結論から言うと、ほぼ大学受験を目的とした「授業のノートの取り方」に特化した内容で、ビジネス向けの書物ではなかったが、資格試験などに挑戦している方には勉強法として参考になる部分もあると思う。
個人的に大いに賛同した点は、ノート術について、「簡単」・「速い」・「フレキシブル」であること、「美しさ」にこだわらないこと、を挙げていることである。今まで読んだ「マインドマップ」やいくつかのメモ術になどに関する書物では、実際この辺りにこだわって本質がぼやけてしまっているものも多いと思っていたのでこれには共感した。
著者は独学で東大に現役合格し、TOEICも975点を取るなど、秀才の誉れ高いのだが、それはこの本を読んでいてもよく分かる。授業をインプット(知識説明)型とアウトプット(問題演習)型に分けて、それぞれ勉強法やノートの取り方を変えるなど、おバカな私など学生時代には考えもしなかった。
しかしながらいみじくも著者が「ノートを借りるときは、天才肌の人に借りるな。なぜなら途中のプロセスが抜けていることが多いから。」と述べているように、この本で書かれている「コーネル大学式ノート術」の説明は具体例が非常にあっさりしていて物足りない。
例えば実際のノートの例として、度々出てくる英語のノートの説明ではほとんど例文が示されておらず、要点しか書かれていない。実際の授業を受けている中ではもっと混沌とした記述の中から要点が見えてくることも多いのではないだろうか。
もちろん、それはコーネル大学式ノート術の本質の説明とは関係ないといえばそれまでなのだが、この例のように授業中に要点だけをきちんと抽出できる人ならば、多かれ少なかれ同様のノート術は既に使っていることだろう。
全体としてノートの取り方だけでなく、「リテンション」や「あいづち」など「積極的な授業の受け方」について示唆に富む内容で、特に高校生なら一読の価値はあると思う。
参照:
「カラム分けノート」
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