タブレットでマーカースケッチをすることには、いろいろなメリットがあります。
例えばどれだけ練習しようと、PMパッドのようなマーカー用紙や、マーカーのインク自体を消費しないで済むという経済的なメリット。
また、紙では絶対できないundoが効いたり、色を変えるような編集ができたり・・・あるいはソフトの手ぶれ補正機能が絵の巧さを20%引き上げてくれるかもしれません。
もちろん、今でもプロダクトデザインの世界では紙にマーカーでリアルに手描きするということを重視しているかと思います。(以前、テレビで紹介されていたフェラーリの工房でも、デザイナーたちはまずは手描きで検討し、その後でデジタルも併用しているようでした。)
勝手な想像ですが、一つには普通のタブレットではハンドストロークを重視する描画はやりにくい、ということに原因があるためではないかと思います。肘をピボットとするようなロングストロークのラインをドローイングする場合、モニターを見ながらでは、終点を思った位置にとるのは容易ではありません。
実際の紙のように描こうとすれば高価な「液晶タブレット」が必要になってくるのかもしれません。
これに対し、比較的ストロークの小さなイラストなどでは逆に液晶ではない、普通のペンタブレットの方が適している場合もあります。液晶タブレットでは手の動きと描かれる絵のサイズが基本的に同じになりますが、普通のタブレットでは一般に入力範囲は実画面より小さいので、指先の小さな動きでより滑らかなラインをひくことができるからです。
もちろん、この辺はソフトの特性や好き嫌い、習熟度、ハードの解像度等の性能などなどにも左右されます。
今回使ってみた「1bitPaper」は極めてシンプルなデジ絵ソフトです。
「1bitPaper」(Vector)
「タブレットの線画の練習用」のソフトということで、手ブレ補正もレイヤーも無く、先日紹介した「うさぎさん」の機能をさらに極限まで削ったようなソフトです。使える色さえ単色で、透明色も使えないため、基本的にマーカーライクな絵は描けません。

デフォルトでは終了時に画像を保存するため、何でもかんでも保存していきます。うっかりデータを破棄する心配はありませんが、練習時などには余計なお世話にも感じます。
デフォルトではペンサイズを変更するためには環境設定を開かねばならず、描画ウインドウと並立できないため、サイズを変更するという基本行為で描画に集中できなくなります。「設定」から「ショートカットキー設定」で適当なキーを割り当てるといいでしょう。
また、タブレットの追従はよいのですが、ラインにシャギー感があり、筆圧感知も今ひとつ滑らかでないように思います。
キャンバスを半透明にできるのでトレースの練習に使えますが、個人的に使いどころが思いつきません。
3,4時間集中して使ってみましたが、私的にはどうも、しっくりくる設定ができませんでした。
シャギー感のあるラインでよければ、Windowsデフォルトの「ペイント」の方が複数色を使えるというメリットがあります。こちらは全く筆圧対応はありませんが、タブレットでのドローイングは非常にスムーズです。
「ペイント」でのドローイング。黒+グレー2色。
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