この季節、赤いダニがマンションのベランダ等に現れる。
苦手な人は拡大注意

検索してみると多くの人がその見た目の不快さで悩んでいるようだ。
検索内容をまとめると・・・
●タカラダニの仲間と言われている。(「宝ダニ」の名前の由来がいくつかあり興味深い)
●昔から全国的に生息しているが、近年都市部で目立つようになってきた。
●5月~7月が発生期。
●人を刺したりはしない。
●病原性は不明。
と、言ったところ。
Q-75:赤く小さな虫に悩まされています(社団法人農林水産技術情報協会)
タカラダニ駆除の方法と生態いざという時の貯水槽管理私の観察では、多いときには30cm四方に1匹程度、少ないときは1m四方に1匹程度で、うじゃうじゃいるという感じではない。サイトによっては湿気を好むという説があるが、日向の中に平気で出てくる。体長は0.5mm~2mm。鮮やかな赤なので目立つ。マンションの外壁を上ってくるようだが、ベランダの植栽の影に潜んでいる様子もある。
植物に付いているわけでもなく、虫の死骸に群がっている様子もない。単独でただ歩き回っているだけで、行動様式が全く不明。移動速度は非常に速い。1分で1m程度は移動できそう。
個体個体を駆除するのは実に簡単で、薄めた台所洗剤をスプレーするとほとんど瞬間的に活動を停止する(そのまますぐに死ぬようだ)。ベランダなどならその後水で洗いながせばOK。ただし、また、どこからともなく次のが来るからやっかいだが。建物の外壁を登ってこられると対処のしようがない。布団を干すのに困る・・・。
ちなみに私の経験では、不快害虫で薬品耐性の強いのはこれからの季節に現れる小バエの蛆だ。ヤツらは身体を粘液で覆っており、洗剤はおろか、家庭でほぼ最強の薬品である「漂白剤」にまである程度の耐性を示す。効果的だったのは冷却剤を使った「バルサン氷殺ジェット」ぐらいだが、ガスが引火性で事故ったため発売中止になった。
小バエの蛆は人間に害を及ぼすどころか、傷口の治療に蛆虫療法を使ったりするぐらいで、まあ、なんの恨みもないのだが、やはりちょっと油断してゴミ箱の中でウニョウニョ発生したりすると平常心ではいられない。どーもコーヒーが好きなようで、飛んできた小バエが目の前で飲みかけのコーヒーの表面に卵を産んだのを目撃したときには青くなってしまった。こいつらを愛でられるのは「CSIラスベガス」に登場するグリッソム氏ぐらいのものだ(笑)。
グリッソムに習って観察したところでは、驚くべきことに食物が無くても卵から僅か2,3日ほどで蛹化するようだ。つまり、卵の段階ですでに成虫にまで成長するエネルギーを秘めているのである。蝶の幼虫が大量の葉っぱを食べて脱皮を繰り返し、蛹になるまで時間がかかるのとエライ違いである。
そうそう、もうひとつ、室内で大量発生した虫の話(笑)。
いや、発生ではないんだけどね。家庭菜園をやっている方から大根をたくさん頂いたのである。5,6本もあって食べきれないからちょっと油断して台所に置きっぱなしにしてしまった。2日ほどして気がつくと、台所中が小さな虫だらけに!
実は、農薬をあまり使っていなかったらしく、葉っぱにアブラムシが大量に潜んでいたのだ。新聞紙でくるんであったから気がつかなかったのである。で、少し葉っぱが乾いてきたから皆、葉っぱから移動を始めたというわけ。
もちろん、アブラムシなんて無害だし、無農薬の証なんだけれど、台所に拡散されたときには引いてしまった。
頂いたときにすぐに洗えばよかったのだが、普段虫のいないものを食べているから油断したわけだ。つまりいつもは農薬を使ったものを食べているってことになる。
結局、有機だ、無農薬だ、家庭菜園だ、農業だと、にわか自然派になってみたところで、土や植物と関わるということは、こういうウジャウジャ出てくる虫さんたちとも関わらなければならないというわけで・・・都会の出自の人間ってのは、そのあたりの覚悟が無くてどーもいけません。
さて、ダニ繋がり(イヤな繋がりだが)で、前回紹介した天才科学者、
チャールズ・ペレグリーノの『ダスト』を再度紹介しておこう。私は図書館でこの本を借りて読んだ後、自分で購入し直したものだ。

地球上のあちこちで黒いダニの大群が発生し、人類をはじめ地球上の生物全体に危機が訪れるという話である。単純なホラーやバイオハザードものではなく、深い科学的知見によって構築された物語でその警鐘には耳を傾ける価値がある。詳細は松岡正剛氏に譲るが・・・いや、氏は本質を書きすぎているので、興味ある人はむしろ
「千夜千冊」は先に読まない方がよいだろう。
98年の時点で当時まだ大きな騒ぎになっていなかった狂牛病が重要な要素として登場する。吸血コウモリによって媒介された狂牛病により人間の脳が破壊されていく描写は恐怖以外の何ものでもない。
昨今世界的にミツバチが原因不明の大量失踪をとげるニュースが報道されているが、一説にはダニが原因だとか。今のところ、農業への経済的な懸念しか取りざたされていないが、このニュースを聞くたびに私はこの本を思い出して恐怖してしまうのだ。
すでに絶版で新刊は入手できないようだが、検索すれば古書は入手できるだろう。
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