休日の試写会で昼間からアニメを見てきました。
『サマーウォーズ』

キャラクターデザイン:貞本義行x監督:細田守x脚本:奥寺佐渡子と『時かけ』スタッフ再結集ということ。
実は個人的に『時かけ』は全然ダメだったので(なぜあんなにすっ転ぶのにパンツが見えないのかと・・・ってとこじゃなく、作画はいいとしてストーリーが下らなかった)、今回も正直、あまり期待していませんでした。ただ、近未来SFというテーマが大好きなので見ておこうと。
で、今回は非常に楽しめました。とにかく「仮想世界OZ」のCG映像が圧巻。これだけで見る価値はありました。
キャラクターは今時の草食系男子にお姉さん系美人、宮崎アニメ以来の定番である強い婆ちゃん(どーみても90歳には見えないが)と、アニヲタ御用達の布陣。とにかく、物語のテンポがよく、クライマックスまでの盛り上げ方も卒なく、2時間近い長さを感じさせませんでした。終わった後に会場が拍手で包まれました。「泣いた」という感想を漏らす若い女性たちも。
前回の『時かけ』に比べると格段に好みの作品です。特に「仮想世界」に関わる方の進行は秀逸。
ただ、辛口視点で見ると現実世界側の設定がいけません。のっけから物語の重要なキーパーソンの3人が偶然一堂に会するのは、あまりにも脚本に芸がなさ過ぎるというもの。それ以外にもいろいろなお膳立てが全て揃いすぎていて、それを辺境の田舎に集中させるのは、かなり無理があると思います。
ま、大家族のいる田舎の暮らしというものそれ自体がもはやファンタジーということでなのでしょう。
というかさらに穿った見方をすれば、それは、都会で独りで暮らすのにはもう疲れ果てたという若者が、田舎に広大な土地を持つ大家族とお近づきになれたりしないかな・・・そこではいつも誰かがふんだんにご飯を用意してくれ・・・しかもその長老は、影で日本のトップにも通じるような実力者で・・・という今時の若者が妄想しそうな、ぬるーい甘えたファンタジーなのです。『「つながり」こそが、ボクらの武器。』というキャプションにやや腐臭さえ感じます。自分たちがその息苦しさ故に捨ててきた田舎の、いいところだけを美化するような描写はあざといと言うしかないでしょう。製作者側は何が受けるか、よく分かってらっしゃる(笑)。
私なら、家族たちを残してきた田舎に望郷の念を抱きながらも、都会で頑張って立ち上げた少人数のIT企業なんかを舞台にしますね。それならいろいろなお膳立てがほぼ無理なく収まりそうです。
いずれにしても主人公は「数学オリンピック」の日本代表になろうかというところまで行った、いわば天才肌。何の取り柄もないフツーの男子では、かわいいお姉さんをゲットすることはできないということを突きつける、ある意味キツーいアニメかもしれません(笑)
あと、公式サイトのトレーラーは出来がひどくネタバレじゃないの?というようなシーンがあるので、映画を楽しみにしている人は見ない方がいいでしょう。
『サマーウォーズ』公式サイト
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