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マクラーレン社ベビーカーの指挟み事故

英マクラーレン社の米国子会社が販売したベビーカーで子供が指をけがする事故が相次いでいるとのこと。折り畳み用のヒンジ部に指を挟む事故である。


「マクラーレン」ベビーカー、補修キット配布へ 指のけが国内4件 (NIKKEI NET)


ベビーカー カバー無償配布を(NHK ニュース)


2009/11/17
マクラーレン社に係るベビーカー事故に関し、「消費者情報ダイヤル」に寄せられた情報について
消費者庁ホームページ) 


MACLAREN 


091128a.jpg



米国内の指を挟む事故15件のうち、なんと12件で指先を切断したということで、なんとも恐ろしい。11月26日のNHKニュースによれば日本でも既に31件の事故が起こっているとのこと。対策としてマクラーレン社はヒンジカバーを無償配布しているとのことだが、ホームページを見ても大々的に取り上げておらず、なんだかオソマツな対応だな、と思わざるを得ない。『安全基準として世界でも特に厳しいとされている英国法に適合。」って・・・もしもし?


ニュースによればマクラーレンのベビーカーは英国王室やベッカム夫妻が使っていることで有名で、日本でも「セレブ・ベビーカー」と呼ばれて人気があり、2002年から約17万台が販売されているとのことだ。

この事故、ネットで調べてみると、既に2007年の4月には国民生活センターより注意喚起の情報が出ているということで、この間なんの対応もなされてなかったのかと不思議でならない。

指はさみ事故(ベビーカー.biz)


2008年3月にも
折りたたみベビーカー、危険な可動部30カ所、指挟み事故の恐れ(nikkei BPnet)


と、いうのも、もしデザインや設計に携わるものが折りたたみ式の機構を扱わねばならない場合、「指挟み」という問題は基本中の基本、まず真っ先に考慮しなければならない問題であるからだ。上記サイトを見ればこの手の事故はマクラーレン社にかかわらず、他社でも起きているようだ。

たしかにキッズデザイン展などを見ても、ドアの指挟み対応などまだまだ不完全だと思う設計がままある。(拙ブログ「キッズデザイン博2008


それだけ対応が難しい機構ということなわけだけれど、最近ではいろいろと効果的な対策のとられたベビーカーもある。


Silver Cross 

ヒンジギャップがない構造
091128b.jpg




乳母車の折畳み時の幼児指挟み対応について(全国ベビー&シルバー用品連合会及び財団法人製品安全協会)



マクラーレン社のは英国王室御用達ってくらいだから昔から伝統的にこの構造を採用してきたのかもしれないね。つまり本来は「ハサミ」と同じで自己責任で注意して使えってことだったのかもしれない。ただ、ハサミなら誰でも多少の危険性は理解できるわけで、安全だと思われているものが危険な構造を持っているというのは分かった時点で改善しておくべきだった。



さて、なぜ、私がこれほどこの問題に食いついたかというと、実は子供の頃、同様の機構で指を切断しかけたことがあるからだ。

小学生のときの話だが、祖父の使っている座椅子にもたれていて何気なくヒンジ部を触っていて指を挟まれたのだ。
その座椅子はヒンジ部にギヤのようなラチェット機構があり、段階的に背もたれの角度を変えられるようになっていた。この手の座椅子は今でもよくあると思う。

たまたま両方の指がヒンジに触れたときにラチェットがはずれて両手の親指と小指以外の3本の指がギヤに挟まれてしまった。びっくりしたのと痛いのとで泣き叫んだけれど運の悪いことに周りに誰もいなかった。自分の体重が背もたれを押しているからまさに自縄自縛で指が抜けない。大声を出しても誰も助けにきてくれなかった。そのうち、痛みがマヒしてきたというか、だんだんと気も落ち着いてきたので、ジタバタせずにゆっくりと身体を起こし、挟まれていない指でなんとか背もたれを戻して脱出することができた。両手の指が血だらけになったが、複数の指が挟まれたのが逆に幸いしたのか、骨までいってなくて助かった次第。


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痛かったっす



まあ、今ではこんなヤバい機構が剥きだしなんて考えられないことだけれど、いずれにせよ、構造上、ヒンジ部はテコの原理で強力な切断力が働くってことが分かっているのだから、ベビーカーに限らず、どのような製品でも危険性を認識して設計しなければならないのだ。


あと調べていて、製品の危険情報を集約したサイトを見つけた。興味深い試みなので見ておく価値があると思う。

fuguai.com 






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