注:内容に関するネタバレはないのですが、個人的に映画手法の「種明かし」をしてみたので、映画を見て純粋に怖がりたい方は読まないが吉です。試写会見てきた・・・見なきゃよかったってくらい、めちゃくちゃ怖かったっす。これは笑っちゃう人と怖がる人と分かれる映画かも。個人的には怖さのツボに入ってしまいました。ちびります。
CMが怖すぎてお蔵入りになったという、よくある宣伝手法を使っているけど、これはマジ。ドラマのキーである夜中の3:33から1時間ネットで公開しているとのことだけど、余計にコワイ。
『THE 4TH KIND フォース・カインド』「フォース・カインド」お蔵入りCMが毎夜3時33分に限定公開(eiga.com)
アラスカ州ノームという町では多数の住民が行方不明になっている。ノーム在住の心理学者アビゲイル・タイラー博士のもとに多くの不眠症を訴える患者が訪れる。催眠療法でその原因を探ろうとする博士は衝撃の現象を目撃することになる・・・
こんなヤバイ映画がR15どころか、PG12にさえなっていないのは不思議。こどもが見たらドラウマになります。
えーと、「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」以来、ハンドカメラで撮ったリアル・ドキュメント映像風のホラーはひとつの手法として確立された感があります。最近でも同手法の低予算映画『
パラノーマル・アクティヴィティ』(2010年1月日本公開予定)がアメリカのボックスオフィスを席巻しました。
さて、この『THE 4TH KIND フォース・カインド』はさらにその手法をすすめた新手の構成をとっており感心しました。
というのも、映画冒頭で主人公役のミラ・ジョボヴィッチがいきなり登場してこのようなことを告げます。
「私は映画に登場する心理学者のアビゲイル・タイラー博士を演じるミラ・ジョボヴィッチです。この映画には65時間以上の実際の記録映像の一部とその再現映像で構成されています。プライバシーのため一部匿名になっています。映像にはかなり衝撃的な部分があります。真実をどうとらえるかはご自身でご判断ください。」
そして「記録映像」というものと役者が演じる「再現映像」が交互にあるいは並列されて上演されていく。「記録映像」と「再現映像」はほぼ同じ構図であり、ご丁寧なことに再現映像では役者の名前も記載されている・・・
つまり、非常に巧妙なミスディレクションがしかけられているわけです。わざわざ「再現映像」を作っているということで、その同じフレームの「記録映像」は本当の記録なのだ、と思わせるわけです。これが実にコワイ。
「一部、記録映像を使っている」というからには実際にそういう部分もあるのでしょうが、よく考えると映画を見る人が「記録映像」だと思っている部分が全て実際の「記録映像」だとは誰も言っていないのですね。もちろん「記録映像」と思わせる部分のほとんどが「フェイク」でしょう。
「再現映像」との対比で「記録映像」部分に非常にリアリティを与えているわけで、怖さもいや増します。注意深い人なら最後の最後で「記録映像」がフェイクであることのヒントを製作者がわざと付け加えているのに気づくかもしれません。
え、見てみたい?知りませんよ、眠れなくなっても・・・
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