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本:『理系アタマのつくり方』

四ッ柳 茂樹 (著) 『理系アタマのつくり方』サンマーク出版 (2009/1/7)


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『理系アタマのつくり方』というタイトルなので、ロジカルシンキングの本かと思ったら、新入社員のビジネスにおける心構えを紹介したような本でした。

一つ一つの項目は、一般的なビジネス書でもおなじみの事柄ばかりで、特に深い掘り下げがなされているわけでもありません。文字組みも大きく記述はかなりシンプルです。しかしながら、全体を通してみると、この本の主眼はちょっと伝わりにくいように思えました。というのも、それは本書の構成がストレートではないからです。

本書は新人の国分君という社員が、北欧の奇妙な「人形」を販売するためのプロジェクトリーダーとなっていろいろ奮闘するという設定となっています。初めての経験でとまどう国分君を理系アタマの持ち主である中川という上司が指導していくというもの。

さて、残念ながらこの「小芝居」が非常に「邪魔」なのです。中川は国分にいろいろな理系思考を伝授していくのですが、その思考テクニックがほとんどこの人形を売るという物語に絡んでこないのです。話の例は「牛丼」やら「携帯電話」やら「りんご」やら、と関係ない事項で説明されるのです。
その後、人形の販売に応用して国分が成功していけばまだ話は分かるのですが、そこはほとんど言及がなく、国分のプロジェクトは勝手に進行していきます。唯一、少し絡んだのは「不良品」が発生した下りぐらいでしょうか。


そもそも冒頭で、アンケートを取ったら、その人形は『主に30歳前後で、ショッピングチャンネルをよく見て、週末には習い事をしているような、OL層に受け入れられるようだということがわかった。』といきなり説明されています。その「アンケート」を取るためにどのような論理的な思考が展開されたのかという部分は全く書かれていません。
そんなアンケートが取れるのなら、別に、国分が中川から学ぶことはそれほどないだろうと思うのですが(笑)。

いずれにせよ、物語の進行に引っぱられて読み進めていくと、いちいち物語と関係のない思考法が入ってくることが私には腑に落ちませんでした。どちらにも集中出来ない感じです。


このような構成はヒットした水野敬也氏の『夢をかなえるゾウ』など、ビジネス書ではおなじみだと思うのですが、上手にまとめるには相当に「文系アタマ」の才が必要なようです。

単刀直入にロジカルシンキングについて説明するか、もっと物語との関連を持たせるかどちらかにすればよかったのではと思います。




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2件のコメント

[C430] すべからくの用法が間違い

すべからくに「すべて」の意味は無いよ。
「すべからく~べし」でワンセット。
すべからくの否定形が「すべからず」であるからして。

[C431] Re: すべからくの用法が間違い

ありがとうございます。修正しました。
  • 2010-03-18
  • horirium
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