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買ったペン2

前回に引き続き、ペンのネタ。

でも今回のは万人にお勧めできるものではありません。

その名も「新ペン先

この妙な名前のペンはその用途を「マンガ、手帳、日記に・・・・」と宣っているのですが、試してみたところ、実に使いどころが難しいペンでした。

ペン先は2種類あり、なぜか軸には「School」、「School G」と記されています。



100410a.jpg
クリックで拡大


Schoolの方は太さが0.2mm、School Gは0.2~0.5mmとなっています。インクは専用インクのカートリッジ式。

さてさて、書いてみると、これが実にカリカリと硬く、紙にひっかかります。この書き味は、まさにおろし立ての「付けペン」のそれ。School Gはその名の通り、「Gペン」に似せた仕様になっています。

それもそのはず、実はこのメーカー、「立川ピン製作所」は昔から付けペンを作っている漫画家さんも御用達のメーカーなのです。大昔に「日光」ブランドのペンを使ったことがありますが、タチカワも日光もここのブランドのようで、このようなペン先を作っているのは今では2社しかないとのこと。


さて、上の写真を拡大してみると実に書き味が硬いことが見て取れると思います。あちこちひっかかって紙の繊維が切れ、滲んでいます。Gの方(下側)は力を入れたときのペンの「切り割り」の開きが大きく出ます。付けペンを使ったことがある人は分かると思いますが、最初は紙にあまり馴染まないのです。で、使っているうちにペン先が摩耗してきてスムーズになってくる。そして最後には切り割りが開きすぎたり、先端が太くなってきて新しいものに交換する、という流れです。

だからこのペンは格安万年筆ともまた違ったコンセプトで、一応インクカートリッジは換えられるものの、ペン自体が消耗品なのです。サイトには「イリジュウムがついていない」と明記されています。

新ペン先」(ここの写真をクリックするとPDFが開きます)

つまり、なんというかペン先を育てるというか、その一生を楽しむような筆記具といえるでしょうか。

軽い筆圧で書く分には非常に細くて繊細な線がかけます。インクも顔料系のくっきりとした黒でなおかつ速乾性です。しかし、切り割りの弾力を感じるほど力を入れるととたに紙の繊維をカットしだして滲んでしまいます。はっきり言って筆圧が強い人ならコピー用紙でも手帳でも使うことは難しいでしょう。

サイトでは「マンガ家さんも使っている」と謳っていますが、これでメインのラインを描いている人っているのかなあ。試してみたところ、力を入れるとケント紙でも切り込んでしまってインクが紙の繊維に入り込み、なかなか乾かなくなってしまうのです。

とは言え、付けペンのような弾力は実に楽しく、ついつい力を入れて描きたくなってしまうし、実際これで文字を書くと、ペン先の弾力の影響でかなり筆跡が変わるほどです。おもしろいのですが、紙に絡むので痛し痒しです。


このようなとき、付けペンなら事前に「オイルストーン(油砥石・製図用研石)」で調整することができます。


100410b.jpg
大昔に買ったものなので箱がボロボロ


これは25mmx50mmほどの石英の砥石で、今は素材が品薄となっているようです。

アーカンサス・オイルストーン


少量の鉱物油を垂らしてペン先やらカラス口を磨くためのものですが、この「新ペン先」の場合はペン先裏のプラスチック製のペン軸が邪魔をして研きにくくなっています。また、カートリッジ式のために書き味の調整が難しく現実的ではありません。地道に紙に書いて馴染ませていくしかないようです。


同様のコンセプトのペンに画材屋の「Too」から出ている「コピックドローイングペン」があります。

ペン先は細書きと太書きの2種で、こちらは「消耗品」と割り切ってインク交換もできないようです。









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