『反骨の画家 河鍋暁斎』 狩野博幸・河鍋楠美著 新潮社

「暁斎」はもともとの号が「狂齋」ということなので、読みは「ぎょうさい」ではなく「きょうさい」。恥ずかしながら私も間違えておりました。
とにかくありきたりですが、天才というしかないというか圧倒されます。
伝統画はもとより、幽霊・妖怪の類から動物、風刺画、春画までまさに分野も運筆も闊達自在。徹底した精緻な写生と漂うユーモア。絵画だけでなく文具などの「デザイン」までこなしています。
この本にはすばらしい絵がたくさん納められているのですが、中でも、下絵(デッサン)の迫力はすごいの一言。現代のイラストレーターやマンガ家のルーツでもあることがよく分かります。
著者の一人、河鍋楠美氏は暁斎の曾孫で、河鍋暁斎記念美術館の理事長・館長。今年出版された本書は、オールカラーで内容も濃く、写真も綺麗です。少し残念なのは判型がA5と小さいことですが、できるだけ大きく見せるように掲載写真のトリミングを工夫しています。
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