Lapitaの付録
「ラピタ」6月号の付録に「万年筆」が付いているとの情報を得て本屋へ走った。
どうやら人気があるらしく、4件目にしてようやく入手できた。

それにしても、しょっちゅう本屋に行っているいるのに、ラピタがリニューアルしていることに気がつかなかったなんて。
すでにリニューアルして1年にもなる?まあ、気がつかない筈だ。変更前のカタカナの「ラピタ」の方がイメージの訴求がはっきりしていたと思う。つまり昔「少年」だったころの遊び心を引きずった・・・ということを臆面もなく標榜できるような不思議ちゃん系のオジサン雑誌だったのである。
それがまあ、今風に言えばちょいと小ジャレたっていうんですか、装丁も雰囲気もよくあるただの中高年向け物欲雑誌に成り下がっている。これでは私のレーダーに引っかかるわけもない。
ま、しかしながら、付録評論家としては(いつのまに?)、しかも付録が文房具とあってはチェックしないわけにもいくまい。
通常号は¥680のところ¥980なのでまあ、¥300の値打ちのある万年筆かどうか、ということだ。
既に昨年の11月にもレモン色の万年筆を付けて好評だったとのこと。今回はスタンダールの「赤と黒」になぞらえてかなり派手な色使いのペンとなっている。

この色合いははっきり言ってセンスがないのでは?赤と黒がご丁寧に1:1の割合で使われているので垢抜けないのだ。同じ赤と黒を使うにしても、どちらかをメインにしてバランスを変えて欲しかった。
どうせなら、軸とキャップで反対の色使いバージョンを出せば、組み合わせを変えて使えいたい人が多いだろうから、2倍売れただろうに(笑)。
最近は雑誌のおまけも複数のバージョン違いが入っているという仕様も多いので流通的にも不可能ではないと思う。
手にとって見ると想像していた以上に品質「感」がある。少なくとも同じ300円の「ペチット1」とは大違いで、ずっしりと持ち重りするような質量がある。と言うか・・・重過ぎないか、これ(笑)。
プラスチックではなく、金属の削りだしに焼き付け塗装のようである。
ペン先にもラピタのカエルマークが刻印されており、芸が細かい。
メッキの品質までは分からないが、少なくとも作りに安っぽさは感じられない。300円でここまでできるのかと、かなり感心した。
さて、ところが実際に書いてみると・・私は万年筆フリークではないので当然ながら一使用者の感想だが、まず、ペン先は滑らかながらも、線が太く、インクがやたらと出る。個体差なのか、壊れている・・・のでせうか?許容できない範囲ではないけど、これでは手帳など小さな文字を書くシチュエーションには向かない。
それともう一つ我慢できないのは重量バランスが悪いこと。軸14gに対し、キャップが13gで、書く時にはキャップを後ろに嵌めないと短すぎて使えないから、後ろ1/3位の長さに半分ほどの重量がかかることになる。
つまり、常に浮き上がろうとするペン先を押さえつけて保持しているような感覚で、とても疲れるのだ。クラシックな万年筆好きにはこれがいいのだろうか?(ペチット1など全体で10gである(笑))
キャップを後ろに嵌めたときの重心の位置キャップの後端に金属の錘が入っているからなのだが、この錘は軸の後端にした方がよかったのではないだろうか。
持つ位置をずらして上の方を持つようにするとバランスは良くなったが・・・紙面から手が遠い位置になり、私のポジションではない。
インクの件は置いといても、このバランスは、はっきり好き嫌いが分かれると思う。
・・・いやまあ、とにかく重たすぎ。せっかく可愛らしいのに、持って歩きたくないゾ、これ。
品物としての作りはいいのに、使用感が好みに合わない。よそ様のブログを見ていると長軸タイプに改造して使っている人もいるようである。なるほど。
そこまでする設備がないのが残念。
追加:
本誌で逆バージョンの記事を発見。
皮ケースとセットで通販している・・・。¥3,150。せこっ!
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