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進化の袋小路

JR東日本ウォータービジネスが昨年投入した「次世代型新飲料自販機|エキナカ自販機 acure(アキュア)」を駅で見かけたのだが、皮肉にも販売が停止されていた。


110408a.jpg



飲料のモック(サンプル)の代わりに47インチの大型タッチ式ディスプレイに映像を映し出す方式。しかも顔認識で、近づく人々の性別、年代等を判定し、売れ筋の飲料をお勧めするといういわゆる「デジタルサイネージ」を実現した最先端の仕様。それらのデータはマーケティングにも利用されるという。

もちろん、この震災による節電の必要性から止められているのだろう。実際には最近の自販機であるからかなりの省エネ仕様にはなっているはずだが、当然、飲料の冷却以外にディスプレイの電力なども必要になるわけだ。たとえ消費電力が従来の自販機と大して変わらないとしても、消費者の目を気にすればこんな目立つものを稼働させておく訳にはいかないというところか。

開発にはデザインに売れっ子の柴田文江氏を起用し、オムロン、PDC、富士電機リテイルシステムズと各社共同による製品で、鳴り物入りで登場し、あちこちのメディアを賑わせた。

個人的には当初から巨大なディスプレイを持つ自販機というコンセプトに疑問があった。「売り上げが3倍」と言う謳い文句や、勝手にお勧め品を提示するというおせっかいも胡散臭いと思っていたので、どうも手放しですばらしい新製品とは思えなかったのだが…

今では「開発チームブログ」でも停止を告げるのみで、止まったままとなっている。



図らずも、「節電」が関東圏にとっては社会的要請となってしまった。ネットでは全ての自販機が電力を浪費する無駄のシンボルのように取り上げる向きもある。

しかし、そういう人は今回の地震発生の際、実際に自販機が帰宅難民援助のために無償で飲料を提供した例を忘れてしまったのだろうか。

これは私も知らなかったが、北海道を除き、既に全国の自販機は「エコ・ベンダー」といわれる仕様になっているということだ。エコ・ベンダーとは、「シックス・センス」のヒット以降、立て続けに駄作ばかりを発表するM・N・シャマランの最新作で…ってボケが長えよ!! もとい、夏場、午前中に商品を冷やし込み、電力需要がピークを迎える午後は冷却運転をストップするという省エネ型自販機のこと。

飲料自販機 な・る・ほ・どBOOK!



この夏、関東圏が行わなければならない節電とは、正確にいうと最も電力需要が高くなる昼間の電力を抑えることだ。つまり、常時節電したからと言って、その余った電力を蓄電することはなかなか困難なのだ。故に必要なのは最大需要電力が最大供給値を上回らない、「オフピーク」型の節電。その意味では関東圏の自販機の消費電力は、それを無視していいわけではないだろうが、オフピークの点からは既にクリアしているという可能性もある。

電気自動車やLED照明など続々と開発される新商品はいずれもエコを標榜している。当然、この自販機もエコ運転モードが実装されていてしかるべきだっただろう。輝度を落とすとか、パネルの一部だけ点灯する、マーケティングのモニタリングやサイネージ機能を停止するなど、実際の節電効果は大きくなくてもやれることはあったはず。いや、おそらく今後、プログラムのアップデートにより、そのような機能をインストールしてくるに違いない。「節電モードで稼働しています。」というような表示があれば消費者もそうそう目くじらを立てることはなくなるだろう。


いずれにせよ、いくらでも電力を使ってよいから消費行動を喚起するという従来型の製品開発はこれで完全に袋小路に入ってしまった。

無駄に付いているディスプレイ、常に暖め続けられる便座、手を出せば自動的に蛇口を開くセンサー、手洗い後の温風乾燥機(日本人はハイテクトイレが好きだね。停電したら手も洗えないということだ。)など、便利というよりは堕落という言葉の方がふさわしいようにさえ思える。大げさかな?アニメ『ウォーリー』(原題:WALL-E) には進歩の先にある未来世界が描かれている(笑)。

デザイナーはもう一度、人が道具を使う際の「節度」というものについて考え直さなければならない。



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