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カルティエ現代美術財団コレクション展

カルティエ現代美術財団コレクション展

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テレビを何の気なしに横目で見ていたとき、その横たわる女性の画像は目に飛び込んできた。

???何だろう、この違和感は!?
静かに白いシーツをかぶって横たわる年配の白人女性の周りを何人かの人が取り巻いているのだが、パースが一致しないのだ。

テレビに集中してすぐに謎が解けた。
横たわる女性は人間ではなく、彫刻だったのだ。それもスケールが1:1ではなく、実際の人間より数倍も大きい。テレビで見る限り、本物の人間が横たわっているようにしか見えない。しかし、ありえない大きさ。アンドレ・ザ・ジャイアントどころではない(笑)。

真相を知って画面を眺めてもその強烈な違和感が消えることはなかった。

恥ずかしながら、不勉強にして、それではじめて「ロン・ミュエク(Ron Mueck)」という作家を知ったのである。

この奇妙な感覚を確かめずにはおれない。どうやら簡単に作家の術中に落ちていたようだ。

そんなわけで東京都現代美術館に足を運んだ。
現代美術ということで、その8割の作品群は私には評価不能だった。¥1,500という出費は私には痛いが、ロン・ミュエクのこの『イン・ベッド』を見るだけで充分にその価値はあった。

テレビの画像では本物の人間に見えても近くで見れば「粗」も見えてくるか・・・とがっかりすることを覚悟していたのだが、全く逆であった。

どれだけ近づいて見ても、そこに横たわるのは紛れも無い「人体」だった。違うのは動かず、有り得ない大きさであるということだけ。
まさにリアル・ガリバーの世界(笑)。

あまりの有り得ない大きさが頭の中で明快に否定しているにもかかわらず、今にも息をし始めても不思議ではないと思える。
その憂いを含んだ白人女性の内面に思いを致そうとする気持ちなど、強烈な違和感の前に吹き飛んでしまう。ある意味、思考停止状態。ほんと、見事に作家の思う壺にはまってしまいました(笑)。

とにかく、作家の超絶的な技巧がそれを可能にしている。すごいとしか言うほかない。

カルティエ現代美術財団コレクション展 7月2日まで
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