先月、国立本店で「手で考える『ー紙と本ー』ワークショップvol.2『ブックカバーをつくる』」に参加してきました。
前回の『ノートブックをつくる』のシリーズ企画です。
今回の流れとしては、クラフト用紙に下地となる模様をレーザープリンタの黒で印刷し、その上からプリントゴッコでカラー印刷を載せようというもの。
まず、用意されていたのは、たくさんの「
スクリーントーン」。

ご存知、マンガなどを描くときに貼り付ける模様の印刷されたフィルムです。
薄い透明のフィルムに網点や様々な模様などのパターンが印刷されており、描いた絵に合わせてカッターで切り抜き貼り付けます。
今ではデジタルでトーンを点けることも多いようですが、マンガの世界ではまだまだアナログを大切にしている方々が多いので主要な画材のひとつとなっています。
まずはこれを自由に切り抜いて下地を作ります。行きなりのお題で何を描こうかと思いましたが、スクリーントーンを見たときにやはり思い浮かんだのは「マンガ」のコマでした。
ほとんど考えもせず、手の動くままに線を引きました。

普段、100分の1mmを気にするような作業ばかりしているので、とても新鮮でした。自分がかなりアバウトな人間だったことを認識してちょっとビックリ(笑)
原稿ができたらスキャンして白黒2値にしてクラフト用紙に出力。
次にフォントの清刷(きよずり)を貰い、それらをカットしてアルファベットのコラージュを作り、プリントゴッコの原稿にします。私は清刷のアルファベットの並び自体が抽象的でおもしろかったので、そのままざっくりと使うことに。

ここでプリントゴッコB5登場!

一般のハガキ用のものの2倍のサイズです。(実は私も持っているんだけどまだ使ったことがないという…)
版を作るのにもバルブを4本も使うという贅沢さ。
ここで版が焼き付いたりとトラブルもあったりして。
ワークショップのようなライブ作業ではどうしてもトラブルは付きもの。私はそれも含めて楽しかったのですが、スタッフの方々は気が気ではなかったでしょう。なんせ、失敗の度に貴重なバルブと版が無駄になるのですから。そうです、この2012年でプリントゴッコは消耗品も生産終了になるのです…
できあがりは…

プリントゴッコの構造からセンター部に印刷するためには下の方を折らなければなりません。でもこのラインがブックカバーの折り線になるので問題無し。
前回作ったノートにカバーを掛けて…

いや、とにかく前回も今回も、手を休みなく動かした3時間のワークショップでしたが、とにかく楽しいの一言。手作りってやめられません。
紙ラボ!の野口さん、国立本店のスタッフの皆様、ありがとうございました!
国立本店さんの制作過程紹介記事↓
手で考える 『ー紙と本ー』 ワークショップvol.2 『ブックカバーをつくる』(国立本店)それにしてもクラフト用紙には白系の印刷が合いますね。これは一般の家庭用プリンタでは表現できません。唯一、アルプスから出ていた「
昇華型プリンタ」のみが白や金色を印刷できたのですが、それも昨年を持って製造終了となりました。今では中古品しか手に入りませんが、希少なので価格が高止まりしています。個人で遊ぶにはちょっとお高いのです。
久々にプリントゴッコのおもしろさを思い出しました。消耗品が手に入るうちに何か作って遊びたくなりました。
日本人なら誰もがお世話になったあの名印刷機「プリントゴッコ」。このまま消え去るのかと思うと涙が出ます…
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