解決するのに非常に苦労したので、こんなこともあると、メモしておく。
一般的にグラフィックソフトにはドロー系ソフトとペイント系ソフトがある。
ドロー系ソフトとは「イラストレーター」に代表されるもので、「
ベクターデータ」を扱う。
ペイント系ソフトは「フォトショップ」や「ペインター」などに代表され、「
ラスターデータ」を扱う。
ドロー系の絵では描かれたラインが数値によって規定されるので、拡大縮小してもジャギー感が出ないという利点がある。(ただし、もちろん、モニターの画素の影響は受ける。)
これに対し、ペイント系の絵はピクセル単位で描画されるため、拡大するとモザイクのようにぎざぎざの線になったりする。
ブラウザで表示されるjpgの写真などもこの形式だ。
なので、一般的にドロー系ソフトで描いた絵をネットに上げるためには、ベクター形式をラスター形式に変換しなければならない。(あまり詳しくはないのだが、ドロー系データをそのままネットで見るためには今のところPDF形式にするしかないのではないだろうか。)
そこで、ドロー系ソフトで描いた絵をラスター形式に変換するときに苦労するのがデータの大きさをいかに小さくするかという点だ。
データ量が大きければプリントしたときに綺麗なのはもちろんなのだが、ネットに上げられなくなったりする。例えばこのFC2ブログにアップするためには上限が500KBまでという制約がある。単に写真を見て貰うだけならいいのだが、ペーパークラフトなど、ダウンロードしていただいた方に印刷してもらわなければならないものに関しては気を遣う。
そんな訳で、印刷ものにについては、いい落としどころを目指して、データ量をいろいろ試し、必ず自分でプリントしてチェックしなければならない。
ところが先日、どうしても結果がうまくいかないことがあった。
スーパーファイン用紙にスーパーファンの設定で印刷してみるとどうしてもジャギーが出る。

このギザギザがどうしても取れない。
今までこんなことは無かったので困った。あれやこれやと1日がかりで変換方法やサイズを試してみたがどーもうまく行かない。
そのとき、机の上に溜まった十数枚の失敗プリントの中に綺麗な一枚があることに気が付いた。

ややボケてはいるが、線がスムーズだ。よく見ると一番最初に普通のコピー用紙に試し刷りしたものだった。
コピー用紙の方がスーパーファイン用紙より綺麗なんてことがあるのだろーか?
そこでさらにいろいろ検証した結果、購入したばかりのKOKUYOのスーパーファイン用紙が原因だということが分かった。

私はエプソンの顔料のプリンターを使っているのだが、もちろん、設定は「スーパーファイン」でと指定されている。

試しに同じ0.12mm厚のエプソンのスーパーファイン用紙に印刷してみると、

ボケも少なく、クリアな仕上がりとなった。やや、ジャギーの雰囲気は見られるが、それは、データを変換した際にデータ量とトレードオフして諦めたポイントで、むしろデータに忠実であると言える。
同じ設定で差が出るということはプリンター側の問題ではなく、明らかに紙に原因があると言えるだろう。ちなみにこのKOKUYOの用紙ではむしろ普通紙設定で印刷した方が綺麗に表示された。
指定通りのスーパーファイン設定ではインク量が多くなるのか、吸収しきれずに滲んでしまうようだ。
KOKUYOのプリンター用紙は「名刺」などを作る際にもお世話になってきた。今まではなんの問題も無かったし、私はKOKUYOのノート類の品質の高さも買っている。
今回はちょっと残念な結果になってしまった。
「スーパーファイングレード」は綺麗に印刷できる、という思いこみがあったのと、滲みが変換の際のジャギーに見えたので、とんでもなく回り道をしてしまった。エプソンの顔料インク、高いのに黒が無くなっちまったよ…とほほ。
※付記
念のために追記しておきますが、KOKUYO製品を非難しようとしている訳ではありません。染料系のプリンターやら他のメーカーのものなら綺麗に出力されるかもしれません。いわゆる相性問題かも知れず、それなら多かれ少なかれどのような分野にも存在するでしょう。
私のように頭が硬いとこういうことが起こったときに、原因を一方向だけに求めてうろうろしてしまいます。似たようなことがあった場合には思いも寄らぬところに原因があるかもしれない、ということです。
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