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本『ぼくは「つばめ」のデザイナー』 × 図鑑が好きなのだ15

『ぼくは「つばめ」のデザイナー』水戸岡鋭治著 2004.12.20第1刷 講談社



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JR九州の鉄道車両を15年間で30種以上もデザインし、世界的にも著名な鉄道デザイナー、水戸岡鋭治氏がご自身の仕事を語った本。

小学生にも分かるように平易な表現で書かれているものの、生い立ちから鉄道デザインの現場の話まで、微塵もこども騙しの部分はない。氏の真面目さと真摯で暖かな性格が行間から伝わってくる。現役のデザイナーでもこれを読めば自分を省みるところが多いのではないだろうか。まれに見る良書。

「つばめ」はインテリアに和風の要素がふんだんに盛り込まれており、実に斬新である。とは言え、水戸岡氏は決して流行りやセンスに頼ったデザインをするデザイナーではない。NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」でも紹介されたように、常に現場の職人さん達と入念に打ち合わせをしながら、できることできないことを見極めていく。「公共のために」「デザイナーは公僕である」ということを信条としておられるのだ。

子供達がこの本を読めば、デザイナーや技術者を目指したくなるのでは、と思う。

私は鉄道ファンではないが、来年、九州を訪れる御用があるので、もし時間があれば氏のデザインした列車に乗ってみたい。




図鑑が好きなのだ15 

『発見!探検!工場見学6 乗り物の工場』中村智彦監修 2009年2月3日初版発行 学習研究社



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「工場見学」をテーマとした7巻組みの図鑑シリーズ。この乗り物編では、消防車、自動車、オートバイ、自転車、新幹線の製造工場を取り上げている。製造工程それ自体はほぼ工場を取材した写真が中心。内容的には例えば溶接や成型といった技術部分の原理に関する記述などは無く、やや彫り込みの浅い印象。

10ページに渡って新幹線N700系のぞみの製造過程が取材されていたので、前出『ぼくは「つばめ」のデザイナー』との絡みで取り上げてみた。この800系「つばめ」の元になった車両は、700系新幹線なのだが、調べてみるとN700系新幹線の車両とは別物だった。

本自体は僅か40ページしかないのに、1冊2800円という価格。図書館や学校への設置が狙いの企画物なのだろうか?

いずれにせよ、普段見ることの出来ない製造工程の写真が掲載されているので、鉄道好きの子供達にとっては興味深い図鑑ではないだろうか。


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