『意外と誰も教えてくれなかった手帳の基本』手帳評論家の舘神龍彦さんが新作を上梓されました。拝読しましたので紹介したいと思います。

前書きで、「本書には、マニアの人が飛びつくような、斬新な手帳記入テクニックは掲載されていません。」と書かれています。この本はどちらかいうとビギナーや手帳の使い方に悩んでいる人が、どういう手帳を選び、使ったらよいかをさぐるためのガイドの役割を果たす本です。
といっても、こういう職種の人はこういうフォーマットの手帳を使いなさい、とダイアグラム式のように手帳をおすすめするものではありません。
この本では、基本的なフォーマットや使い方を説明した後に、「ワークシート」なる仕掛けが用意されています。
そのシートに自分で使い方などを考え記入し、推敲していくうちに、自分に合った手帳や使い方が見えてくる、という仕組みです。
そのワークシートは、いわゆるスマート文具の「CamiApp」と「SHOT NOTE」に対応しており、スマホなどでいつでも確認することができます。
内容はとても丁寧に書かれていると感じました。
この本では、手帳を「人生の可能性を拡張するためのツールである」と定義し、その方法論として、「自分の可処分時間を再配分するための道具」としてどう活用するか、というスタンスです。
つまり「このように手帳を使えば成功する」だとか「仕事がスイスイできるようになるライフハック」的な方向性で書かれた本ではないところが、さすがに舘神さんらしく、言わば、外連味の無いまっとうな手帳の使い方を解説した本として、特にビギナーにはおすすめできると思いました。
他、自分としては、「5人の達人の手帳の使い方」の章が、写真の精度が悪いこともあり、全体的に分かりにくい気がしました。
また、著者自らが「倒錯的」と書いている4章では、手帳の使い方を「心身の健康」という広範囲な観点から帰納的にとらえようとしています。この部分は舘神さんが提唱されている「メタGTD」という考え方によるものだと思うのですが、おそらくまだ今後の展開やまとめがあると思われ、興味深いところです。
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- 2014-11-21
- 本
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